見出し画像

「人が電車に運ばれる」という感覚

英語的思考 「物が人を~する、人が物に~される」

  今日は直接の翻訳とは関係のないお話ですが、英語的思考についてお話してみたいと思います。

 かなり前のことですが、Radwimpsさんのスパークルという曲を聞いた時、歌詞に「電車に揺られ 運ばれる朝に」とあり、英語ができる人の感覚を日本語に表現してあるなぁと驚きました。驚くと同時に、この表現は日本人にとっては新鮮であり、面白いと感じる人もいるのではないかな?とも思いました。
 日本語で考えると、「(電車に)運ばれる朝」という表現は違和感を感じると思います。日本語で自然な表現を考えると、「電車に乗って、目的地に移動する」があると思いますが、「人が電車に運ばれる」と言う表現には不自然さを感じる人が多いと思います。

 しかし、英語では無生物主語といって、「(人ではない)物が人に~する」という表現が多く用いられます。例えば、「10分の散歩があなたを公園に連れて行くでしょう。」は日本語では絶対に使わない表現だと思いますが、英語では" Ten minutes' walk will take you to the park."というとても自然な文章になります。
 よって、「電車が人を運ぶ」を受身形にして、「人が電車に運ばれる」という表現になっても、英語的思考で考えると違和感を感じないです。
 他の例として、下記のリンクのタイトルは、"Mumbai Metro carries 100 million passengers in first year."「ムンバイメトロは初年度に1億人の乗客を乗せました。(運びました)」という訳になります。

 英語と日本語の思考の違いのお話、楽しんでいただけたでしょうか?英語を話している時と日本語を話している時の、思考の違いも面白いので、今度お伝えしますね。

成冨ミヲリさん 
「旅は道連れ」誰と旅に行く?より イラスト抜粋

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?