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北海道のブロッコリー農家はどこで儲けるか?

どーも、冨安です。

北海道平取町でWFPダチョウファームで農業の現場をやって2年目が終わったところです。ここでやってること、実際農業ってどうなの、儲かるのか、感じたことなどリアルなことをお伝えしていけたらと思っています。

WFPダチョウファームでは2年目を主軸をブロッコリーとし、約25haのブロッコリー生産に取り組みました。干ばつや苗ロス、収獲ロスなどあり、何割かこけて売り上げは4000万強。それでも、先行投資も大きいため利益が出るのは来年からかというところです。

多いときは大型トレーラー満載

広がる北海道のブロッコリー産地

僕らはスーパーなどに並ぶブロッコリーを出荷しています。市場で値段が決まり、直販はまだやっていません。

平取町のお隣のむかわブロッコリー部会とのご縁から、一緒に仲間に入れていただきブロッコリー生産をすることになりました。

いま北海道ではブロッコリー産地が広がっています。理由は儲かるからです。

農業に携わり2年ですが、何を生産するか?農産物の選定は悩みどころの1つです。

業界の流れは例えば「ブロッコリーが儲かるらしいぞ!」となればブロッコリー農家が増えて、「ネギが儲かるらしいぞ!」となればネギ農家が増えます。

しかし農家や産地が増えると今度は供給過多になり、価格は下がっていき儲からなくなっていきます。ブロッコリーもこの流れを辿っており、産地が増えてるので価格は下がり気味です。

どんな販路を持っているかや農家の規模感、輪作体系、土地柄などが検討材料として加わり、作る作物は決まります。

例えば平取町はトマトの産地。基本的にほとんどの農家はビニールハウスでトマトを作っており、畑作を営む農家は少ないです。

そんななかで畑作を平取町でやるとて、なかなか初年度は農協からも相手にされないのが現実でした。

そんな中で僕らがブロッコリーをやり、新規から2年目で4000万オーバーできたのはむかわブロッコリー部会との出会いなので人の繋がりにつきます。

北海道のブロッコリー勝負時は9月!!!

市場に出荷するブロッコリーの値段は、日本全体のブロッコリーの需要と供給で決まります。生鮮のブロッコリーはまだ海外からの輸入がないので、競合は国内のみです。

北海道のブロッコリー出荷の勝負時は9月です。

なぜならこの時期は夏の暑さのため本州からブロッコリーが出てこないからです。

北海道だけで日本全国のブロッコリーをまかなうため、供給が少なくなり値段が上がります。

7月など本州のものがあるときはブロッコリー1つ40円

9月は1つ100円です。

10月後半は本州からものが出てきて40円に下がって厳しかったですね。

なんと同じものを作っていても時期によって、値段が倍も違ってきます!!!

今年であれば、お盆くらいから値段が上がってきて、10月後半には本州からものが出てきて値段下落。

慣行農業でいくとブロッコリー1つ40円では利益を出すのは難儀でやってもしょうがないよね。となるイメージです。

北海道でブロッコリーをやるとすれば、本州からものが出てこない値段がいい8月から10月前半の限られた時期にどれだけ稼げるか??

これが生死を分けるポイントです。

この短期間にどれだけ詰め込んでブロッコリー生産できるか?北海道の市場に出すような農業だと、こういう勝負になりますね。

持続可能性はクエッションで、大規模農業が持つ課題は経済性と環境保全をどう両立させるかだと思います。

農業はコケるときのリスクはでかいくせに、そう簡単に儲かる世界ではないなと今年やって思いました。



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