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Nature Briefing 2023/06/23付

Hunter-gatherers’ diverse gut microbiome
狩猟採集民の多様な腸内微生物叢

狩猟採集民、農民、都市居住者のマイクロバイオーム(体内に共生する微生物の総体)を解析する大規模な取り組みにより、西洋のライフスタイルが腸内細菌集団の多様性を妨げているらしいことが示されました。タンザニア北部の狩猟採集社会であるハッザ族のマイクロバイオームには、カリフォルニア在住者のマイクロバイオームの 2 倍以上の種が存在していました。ネパールの採集民と農民は、腸の多様性という点でおおよそ中間点を占めていました。さらに、カリフォルニア在住者の腸内細菌種には、酸化損傷への反応に関連する遺伝子が含まれていることが多く、これは慢性炎症の波及効果である可能性があります。

参考:1,125
=狩猟採集ハッザ族のサンプルから発見された科学的に新しいマイクロバイオーム種の数。

Elemental-analysis standard is unreliable
元素分析基準は信頼できない

科学出版社ワイリー(Wiley)は、元素分析の精度基準(±0.4%)が科学的に正当ではないことが研究で判明したためとして、その精度基準を廃止しました。元素分析は、材料の純度を決定するための一般的な化学手法です。通常、出版社は ±0.4% という厳格な誤差範囲内に分析結果が収まることを要求しています。しかし、これは実際にサンプルを分析会社に送付し、高精度の結果に対して相応の料金を支払う必要がある多くの研究者を悩ませています。ある研究者チームは、17の営利法人の分析研究所に送った同一サンプルについて、ほぼ11%が精度基準を満たさなかったことをを発見しました。

⇒このニュースは関係者でなければピンとこない話だろう。
 元ニュース(https://www.chemistryworld.com/news/first-publisher-abandons-impractical-elemental-analysis-standard-as-journals-eye-next-move/4017596.article)を読めば少しはつかみやすい。
 混合物の分析精度が、混合量に左右されてしまうという話(多ければ精度は上がるが、少なければ精度が下がる)。他もWileyに続くのかどうかというのが今後の焦点になる。

元画像:
UnsplashHans Reniersが撮影した写真

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