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Nature Briefing 2023/06/28付

Nine coronaviruses uncovered in UK bats
英国のコウモリから9種類のコロナウイルスを発見

英国のコウモリ種の調査で9種のコロナウイルスが発見され、内4種はSARS-CoV-2が属するグループであるサルベコウイルス、1種は中東呼吸器症候群の原因ウイルスに関連するウイルスでした。これらのウイルスの安全株を用いた臨床検査では、ウイルスがさらに進化することはなく、ヒトに広がる可能性は低いことが示唆されています。次のパンデミックの脅威を探すコロナウイルスハンターたちは、これまでのところSARS-CoV-2に最も近い株を運ぶ野生のコウモリが生息する中国と東南アジアに焦点を当てていました。「ヨーロッパと英国は完全に見落とされていました」と進化遺伝学者のヴィンセント・サヴォライネン氏は述べます。
元記事:Nature
参考:Nature Communications

Mexico’s divisive science law
メキシコの分裂をもたらす科学法

数百人の科学者とメキシコ議会議員の約3分の1が、最近可決された科学法が違憲であるとして訴訟を起こしました。彼らは、この法律「人文科学、技術、イノベーションに関する一般法」は変則的な手続きで可決されたものであり、国家的問題を解決する可能性に基づいてプロジェクトに優先順位を付けることで基礎科学に損害を与えるだろうと主張している。「非常に(政治的に)偏った決定がなされることになるでしょう」と生態学者のロメオ・サルダーニャ氏は述べました。
元記事:Nature

‘Paradoxical’ palm flowers underground
地下にある「逆説的な」ヤシの花

ボルネオ島で新たに記録されたヤシ科の植物、Pinanga subterraneaは、今までこの世に1種しか存在しなかった「土の中で花や果実が成長する植物」の2番目の種となりました(もう1つはオーストラリアのラン属Rhizanthella)。生物学者のベネディクト・クーンホイザー氏は、これは受粉と種子の散布を妨げるためで、「非常に理解しがたい、一見逆説的だ」と語ります。ヒゲブタ ( Sus barbatus ) が真っ赤な果実を掘り起こして食べることで種子を広めるのには役立っているようですが、植物がどのように受粉するのかは依然として謎のままです。
元記事:The Guardian
参考: Plants People Planet

Rhizanthella属はピンクのフキノトウみたいでとても可愛らしい。

画像:UnsplashJody Conferが撮影した写真


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