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60歳は年寄りなのか?年を言い訳にしてきた両親の今と私の未来

もう年取ってるんだから!
何かを言うと、そう返される。
若返ることはないのだから、それを言われたら何も言うことはなくなる。



私もそれなりに年を重ねてきた。
だから、年を言い訳にしてしまう気持ちも分からなくはない。
だけど、それで本当に良いのだろうか。


私の父親は60歳で仕事を定年退職した。
再雇用の話も無くはなかったが、そんなの受けたらいじめられるという謎の理由で引退を選んだ。


家にいるときは文句を言うか、寝てばかりいる父親。
毎日寝て過ごし、早くにボケたら困るのは私たちだ。


だから、何かをやらせたかった私は、いろいろ勧めてみた。
しかし、年だからと何も受け入れてくれない。 



年をとってから新しいこと始めた人はたくさんいるという話をしてみたものの、そういう人は特別な人だと言って聞き入れてはくれない。
結局、そのまま何もせずに生きている。


あれから、15年。
私は離れて暮らしているのでわからないが、もしかしたら何かやっているのかもしれない。
しかし、時折実家に帰って見る父親の姿は、15年前と何ら変わらない。


15年もあったのに、何か出来るようになったわけでもなく、未だに母親に頼っている。
この15年間、ただ年をとっただけだ。
この人はいったい何のために生きているのだろうか。


先日、70歳の母が手話を覚えたいと手話教室に通い始めた話を聞いた。
新しいことを始め、生き生きしているそうだ。
そんな母を尊敬していると、話を聞かせてくれた人が言った。


いくつになっても、何かに挑戦しようとするのは素敵なことだと思う。
出来るようになるかどうかは問題ではない。
始めるか始めないかが問題なのに、どうしてうちの父親は何もしないのか。


忙しいわけではない。
いつもこたつで昼寝をしている。
これが、90歳なら分からなくもない。
でも、当時父親は60歳だった。


母親はどうかというと、父親が仕事を退職したのと同時期にパートを辞めた。
まだ50代であったのに、辞めた。



辞めたの?と聞いた私に、いつまで働かせるんだと言った母。
まだ働いたほうが良いなどと言った覚えはないのに、なぜかそう言われた。


母は野菜を育てるのが趣味のようなところがあったので、やることがないということはない。
ただ、その頃から私に愚痴を言うことが増えたように思う。


ちょうど私が結婚した頃だったので、子ども扱いから大人扱いになっただけなのかもしれない。
今まで気軽に愚痴を言う相手もいなかっただろうから、私が適任だったのだろう。


しかし、その内容が、父親に対する愚痴や、豊かな友人に対しての愚痴などだった。
父親に対しての愚痴は、今まで好きにさせてきたのに、今更愚痴ったってと思うようなことばかり。


豊かな友人に対しては、あそこの人はランチばかり行ってるとか海外旅行に行ったとか。
はっきり言って、大きなお世話だ。
羨ましいなら自分も行けば良い。
お金が無いのは自分の都合だろう。



働けなくなって仕事を辞めたわけではない。
自己都合で辞めたのだ。
それなのに、文句ばかり。
終いには、年配女性をターゲットにしているスポーツクラブが嫌いだとディスりまくる。


働かなくても今生活出来ているのだから、あと何年か働き続ければ、海外旅行に行けるくらいはお金を得られたであろう。
お金を得られれば、お金がかかるスポーツクラブにだって、入会出来る。


残り少ない貴重な時間を、愚痴を言って終えるのか。
流石に愚痴を15年言い続けるのはしんどいらしく、最近はあまり言ってこない。


ただ、「お父さんの面倒を見るのは良いのよ」と呪文のように繰り返す母の姿は忘れられない。



父親のことも、豊かな友人との付き合いも、働いていれば回避できるようなことだったような気がする。
回避ではなく、共に楽しめた可能性だってある。



良いのよと口では言いながら、ちっとも良くなかったのは、火を見るよりも明らかだが、自分から動く勇気など持てなかったのだろう。


お金はは無いのかもしれない。
でも、お金がたくさん無くても楽しむことはできる。
せっかく自由な時間があるのに、不満ばかりの15年。


そんな両親を私は全く尊敬出来ない。
年を言い訳に逃げてばかり。
口から出るのは愚痴ばかり。
この先も、このままずっと生きていくのだろうか。



年寄りだから出来ないんだよと声を荒らげられることもあるけれど、15年前に始めていれば今頃普通に出来たよね?と私が言うと黙り込む。
そんなふうに年をとるのは嫌だなと心底思う。


私も何でもちゃきちゃきと新しいことを始められるタイプではないが、私のペースでゆるりゆるりと成長したい。
例え引退の年になったとしても、その気持ちは変わらないだろう。


子育てで身動き出来なかった約10年。
もう二度と、あんな停滞の時期は送りたくない。
確かにペースは遅いけど、今はもう、変わり始めている。


昨今は、人生100年時代と言われている。
60歳など、まだ折り返し地点ではないだろうか。
私の知らないことはこの世の中にまだまだたくさんある。



何もしなくて良いと逃げてばかりいる人たちの相手などしていられないから、そのつもりでいて欲しい。




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