利用者に発熱があった時の対応【緊急時もしくは事故の対応に関する研修】
こんにちは、とも(@tomoaki_0324)です。
私は作業療法士として6年病院で勤め、その後デイサービスで管理者を4年、そして今はグループホーム・デイサービス・ヘルパーステーションの統括部長を兼務しています。
日々忙しく働かれている皆さんに少しでもお役立てできるよう、管理職に必要な知識と情報をシェアしていきたいと思います。
今回は、「利用者さんに発熱があった時の対応」をお伝えしていきます。
施設利用中に発熱があった場合
何はともあれ、まずは新型コロナウイルス感染症を疑い、電話相談をしましょう。
新型コロナウイルス感染症の可能性を考え、感染拡大防止の観点から迅速に対応しなければなりません。
ではご利用者が発熱した場合のフローチャートをお伝えします。
フローチャート
37.5℃なくても異変があれば注意
高齢者は体温の調節機能や免疫力が低下しています。
たとえ肺炎などを起こしていても熱が上がらない場合があります。
37.5°C以上を発熱といいますが、高齢者の場合は平常時の体温との差を考慮し、37.5°Cまで熱が上がらなくても、風邪のような症状が続いていたり、だるさ (倦怠感)などが見られるときは、フローチャートのような対応をしましょう。
新型コロナウイルス感染症の拡大が続いているいま、ご利用者に普段と異なる様子がないか、バイタルサインに異変はないかなど、細かい点に気を配ると同時に、感染予防対策を徹底しましょう。
感染予防対策の工夫
普段から感染予防の工夫に取り組んでいる必要があります。
工夫の仕方を数例ご紹介します。
送迎時の工夫
デイサービスであれば送迎前に電話連絡し、体温や体調を確認してから迎えに行きます。
さらに、送迎車に乗る前にスタッフが非接触型体温計で再度検温しましょう。
発熱や風邪などの症状がある場合は利用を控えていただき、担当ケアマネジャーに報告・相談の上、早期の受診や医療的判断を促します。
普段から発熱者専用の隔離スペースを確保
発熱などで感染症が疑われる場合に使用するスペースを確保しておきます。
体温計なども発熱者専用のものを準備しておきましょう。
感染予防対策チェックリストで自己点検
感染予防対策は全スタッフが一丸となって行う必要があります。
消毒が必要な機能訓練用のマシンがあるかないか、不特定多数が触るようなものがあるかないかなど、それぞれの事業所の実情に合ったチェックリストを作り、感染対策を自己点検しましょう。
チェックリスト項目
それではチェックリストの項目例をご紹介します。
参考しにていただき、施設独自のチェックリストを作成してみてください。
1、感染症対応力向上
手洗い/消毒
1ケア/1処置ごとに行っているか
定期的に換気をしているか
1~2 時間に1回5 〜1 0 分間
スタッフの日々の健康管理を行っているか(出勤前の検温など)
マスクは常に着用しており、鼻がマスクから出ていないか
ゴーグルやメガネは着用しているか
防護具の着脱方法は全スタッフが周知しているか
手すり、ドアノブ、蛇口などを每日消毒しているか
清掃など環境整備を行っているか
2、物資の確保
在庫量と使用量、必要量を確認しているか
アルコール、サージカルマスク、ガウン、使い捨て手袋、フェイスシールドなど
3、関係者の連絡先の確認
発症後の連絡先を確認しているか
市町村、都道府県、ケアマネージャー、ご家族、かかりつけ医、保健所等
4、感染者発生時のシミュレーション
感染者が発生した場合のシミュレーションを行ったか
スタッフが感染した場合などの人員確保の検討を行ったか
5、情報共有
感染者発生時の対応方針について、ご利用者・ご家族と共有しているか
感染者発生時の対応方針について、協力医療機関と共有しているか
発熱時のケアのポイント
ご利用者が発熱した際に気を付けるポイントをご家族に伝え、ご自宅でのケアに活かしていただきましょう。
熱の出始め
保温:熱が出始めるときには、悪寒や震えが起こるため、まずは全身を毛布などで覆って温める
環境:室温が20 °C前後になるように設定する。加湿器や濡れたタオルを干すなどして、湿度が下がり過ぎないようにする(40%以上)
安静:直射日光が当たらないように、やや薄暗くし、静かな環境にする。換気にも注意する
冷やす部位
後頭部
ひたい
高熱の場合は
首の両側も冷やす
脇の下
太ももの付け根
水分と栄養
水分摂取:お茶やスポーツドリンク、果汁など十分に水分を取る
栄養摂取:消化や口当たりの良いものや、タンパク質、ビタミンの多いものを食べ、栄養不足にならないようにする
その他
清潔:体を蒸しタオルなどで拭き、汗をかいたらその都度着替える。汗などをそのままにしておくと、褥瘡ができる可能性があるので注意
服薬:自己判断で解熱剤を使わない。服薬は必ず医師の指示に従う
体温の記録:できるだけ同じ時間帯、同じ部位で測定し、記録を付けておく
おわりに
いかがだったでしょうか。
発熱時のフローチャートを施設の見えるところに貼っておくと便利です。
新型コロナが蔓延している現在、一つのミスで多いな損害になりかねません。
逆に慎重すぎる対応も、会社の利益を損なってしまう可能性もあります。
感染対策を十分していても発熱者はでます。
そんな時、慌てず対応できるよう準備しておくことは重要です。
それではこれで終わります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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