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【生きるための学びを!】『「おさるのジョージ」を教室で実現: 好奇心を呼び起こせ!』(著:ウェンディ・L. オストロフ)を読んで(その②)

前回に引き続き、オストロフさんのを取り上げたいと思います。

それでは生きるための学びのヒントを探っていきます。

競争とプレッシャーが子どもたちから創造の楽しみと喜びを奪うことがあります。本来は試行錯誤するはずだったことが突如として勝つか負けるかということに変わり、そして、試みるという感覚が自分への評価を左右するものに変わってしまうのです。

「おさるのジョージ」を教室で実現

やらされる事、プレッシャーを掛ける事は気を付けないといけないでしょう。伴走している時に、答えを教えてあげた方が楽な部分はありますが、ぐっとこらえて、試行錯誤させてみるのが良さそうです。決して放置する訳ではなく、軽く手を差し伸べながら、見守っていきたいものです。

また、学びは「勝ち負けであるべきではない」と考えています。興味があることを深堀りしていく、分からないことがあれば、自分でググって調べる、調べたことを理解できるというのが持つべき知性だと捉えています。

子どものマインドセットは、早ければ1歳から3歳の間にできます。ある研究では、才能ではなく努力の面で賞賛された幼児の場合、8歳になったとき、困難な課題から学ぼうとする成長マインドセットをもつ子どもに成長した、と報告されています。

「おさるのジョージ」を教室で実現

努力ができる才能。これも何回か書かせてもらいました。「基礎学習」+「興味や好奇心」+「努力できる力などのコンピテンシー」+「他者への思いやり」こそが子どもの育成に関わる人が気を付けて意識すべき内容と考えています。

子どもの特権は、何度でも失敗できること。失敗したことから学べばOKなこと。心も体も怪我しない程度にやらせてみるという心掛けを持ちたいものです。

中学生や高校生は、授業中にほとんど質問をしません。一般的には、教室での会話の80%以上が教師の話で占められています。

「おさるのジョージ」を教室で実現

こちらを紹介したのは、日本の学校だけでなく、アメリカの学校でも日本と同様なんだと私が感じたからです。日本人の子どもだけではないんでしょうね。

ただ一方でアメリカの大学では発言が求められ、それが成績に結びつくため、状況が違う記載している書籍もありました。

拡散的思考の興味深い点は、大人の世界では高く評価されているにもかかわらず、学校では教えられていないということです。たとえば、33種類の業界にいる何千人ものCEOを対象にした最近の調査では、成功のためにもっとも重要な要素となるのは拡散的思考であるとされていました。

「おさるのジョージ」を教室で実現

発散させた思考(クリエイティブであること)はビジネスの場面で多く求められます。最近の学校教育では変わってきているかも知れませんが、この力を伸ばしてほしいものです。

学校の良いところは、様々な人が集まるところです。知識を得るだけであれば、学校ではなくても良いと感じるところがありますが、一方で得た知識をシェアすること、実際に試してみるところ、そしてコミュニケーションを実践する場として適しています。

社会が変化し、価値観が大きく変わっている中で、学校の存在意義を見直す必要があります。

数学と科学のAP過程に関するアメリカ科学財団とアメリカ教育省による最近のレビューには、ほとんどのAP過程は理解を犠牲にして、あまりにも短期間に多くの情報を詰め込んでいたという報告が掲載されていました。好奇心を優先させるために、私たちは速度を落とし、真に探究するための時間と空間をつくらなければならないのです。

「おさるのジョージ」を教室で実現

AP過程は、大学の1年生相当の内容を高校生の時に履修できるアメリカの制度です。我が子には算数・数学の先に進める学習を実践していますが、一度到達したとしても、戻ったり、微分に丁寧に時間を掛け、暗記ではなく身に付けるという実践は行なっています。

一方で、科学は好奇心をベースにするべきとも捉えており、本や動画コンテンツを活用し、本人の興味が何であるのか問いかけながら進めています。

ツール的スキル(数学・プログラミング・外国語)の習得を進めながら、本人の興味が何であるのか、好奇心をいかに育てられるか、日々模索しています。

本書には子どもの興味や好奇心をいかに伸ばすべきかが書かれており、教育現場に立つ方だけでなく、家庭の教育方針という観点からも重要な学びが溢れています。

ぜひ、手にとって見てください!

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