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【大腸がん】がんと運動

運動はがんの予防や化学療法の副作用を
減らすのに効果があり、
無理せず散歩とかでも良いんですよ。

などと、以前の自分は言っていましたが
いざ自分が化学療法を受けるようになって
反省・・・・

化学療法の副作用には個人差があるため
一概には言えませんが
立ち眩みや目まい
血圧の上昇や、動悸、息切れ
吐き気
手足の痺れや痛み
などなど他にもいろいろあり
そういった状態で歩くというのは
大げさに聞こえるかもしれませんが
まさに命がけ!

その日の体調にもよりますが
歩くということは軽い運動ではなく
多くの努力を要する大変な運動だと思います。

かといって、
歩かない自分は運動をしていない
運動をしていないということは
治る努力をしていない
努力をしていない自分はダメな人間だ
などど、気分を落ち込ませる原因に
してしまうのは良くないので
がんと運動について調べてみました。

結論から言いますと、
まだ、証拠は不十分・・・ということで
何となく効果はあると思うんだけどぉ・・・
といった感じでした。

一口にがん患者と言いましても
個々にがんの程度や種類もいろいろ
運動経験や筋肉量なども様々ですので
同じ運動をしても
効果が一定にあらわれるとは限りませんし
運動の仕方もキツめのものから
楽なものまでいろいろありますし
研究用に条件設定してしまうと
まとまった結果を得るのは
なかなか難しそうですねぇ。

いろいろ調べた中からいくつか
参考にして、以下書いていこうと思います。

まずはサミュエルさんが
大腸がんと運動について
多くのガイドラインや
システマティックレビュー、
コホート研究などの結果をまとめた報告が
ありました(Samuel T. Orange.2023)
その中で書かれていた
運動時間についての報告では
大腸がんの予防効果としては
運動量が増えるにつれ大腸がんになるリスクが
減り予防効果が高まるというものでした。

数字で出されていたのは
ちょっとキツめの運動を週に300分実施すると
大腸がんになるリスクが18%下がったというも
もの(Charles E. Matthews.2019)がありました。
個人的にはこれを参考にして
週に300分
一日であれば40分ちょっとを
運動時間の目標にしました。

運動をすることでがん細胞のアポトーシスを
促すらしく、がん細胞が細胞死して
減っていくことも期待できるらしいです。

運動ががん細胞を減らす働きをするという
一つの根拠として最近報告されたのが
IL-6(インターロイキン6)についての
報告です(Samuel T. Orange.2023)

サミュエルさんたちの報告では
ケガなどで組織が壊れた時に起こる炎症に
関わるIL-6(インターロイキン6)は
組織ががん化するのを手伝って
がんを発症・悪化させる可能性があるもので
多くの免疫細胞などから産生・分泌されるもの
らしいのですが

このIL-6が
がん増殖の抑制にも役立つというのです。

どういうこと?

炎症を悪化させる免疫細胞などから分泌される
IL-6が血漿中でピーク時の量の半分の量に
減るまでにかかる時間である半減期は
15時間前後
一方、
運動により筋肉から産生・分泌されるIL-6の
半減期は、なんと5分!

同じIL-6に分類されているけど
まったく違うらしいのです。

当然、体の中での働きにも違いがあるようで
運動により筋肉から産生・分泌されるIL-6は
炎症を軽減
インスリン感受性を改善
DNA損傷の修復
といった働きがあり
これは私のようながん患者にはとても有難い
働きなんですよね。

炎症が続いて健康な細胞が傷ついたり
栄養となる糖分が豊富にあったり
DNAに傷ができたり、といった状況は
がん細胞的には元気に増殖しやすくて
とても有難い状況なのですが

運動により筋肉から産生・分泌されるIL-6は
そういったがん細胞にとって喜ばしい状況を
改善して、がん細胞の増殖を邪魔してくれる
働きがあるわけです。

いくつかの文献を読んでみて
結論は最初に書いた通り、運動の効果については
まだ証拠不十分なんですが
何となく言われていることをまとめてみて
自分なりの運動についての結論は

時間
一日に40分前後
運動は続けて40分というわけではなく
1分を40回に分けて実施しても良い

運動量
運動は全くしないより少しでもした方が良い

運動方法
極論ですが
指一本でも動かせば筋肉は動いているわけですから
どんな動きでも良いので、どこかしら動かす
(大きい筋肉の方が効率的かもしませんが)

いくつか例をあげますと

寝てる時にできる運動
足首を動かす
手や足の指を動かす(グーパーなど)
両肩を軽くゆっくりと、すくめたり下ろしたり
する
両ひざを立てて左右にゆっくり倒す
両ひざを立てた状態で
片方ずつ膝を曲げ伸ばしする
両膝を立てた状態で腰を浮かせてブリッジする
手足、体幹をゆすって貧乏ゆすり
など

座っているとき
左右にゆっくり体を揺らす
前後にゆっくり体を揺らす
手足、体幹のどこかで貧乏ゆすり

イスに座った状態なら
座ったまま足ふみや膝、足の曲げ伸ばしも可能

などなど、寝たまま、座ったままでも
体のどこかを動かすことで運動になるんです。

注意点としては
疲れさせない、疲労をためないこと

疲労すると免疫力も低下してしまうため
頑張り過ぎには注意しながら
無理せず今の自分の身体に合わせて
運動していきましょう。

これを書きながら私の体も左右に
ゆーーーっくり揺れています。

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