スカイウォーカーの夜明け 夜明け前12月18日

(『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』公開直前にFacebookのNoteに記した文章の転載)

 いよいよ明日、EP9『スカイウォーカーの夜明け』の前夜祭上映だ。42年の時を経て、9部作が完結する。どんな結末になるだろう。EP8の時は、あれこれ内容を予測したものだが、今回はそこまであれこれ考える要素がない。想像しにくいのだ。EP8は、レイの正体は何かということはもちろんのこと、スノークの正体は?レイアはどうなる?ルークはどうなる?とあれこれ考える要素もあったのだが(スノークの正体は、ついに判明しないままだった)。
 EP8で、スノークも死に、反乱軍も壊滅に近い状態で、ルークも逝ってしまった。敵も味方も大胆に退場するという大破壊をやってしまった。これに批判的な向きもあるようだが、あれくらい大胆な壊し方は、個人的には歓迎だった。ただ、EP8直後に思った感想。これだけ壊してしまうと、EP9は、新しい登場人物なり組織を登場させないと、深みのある話にならない。そして、各組織の主要人物を半分以上入れ替えるような状態にすると、本当に一本の映画でおさまるのか?2,3本作らないとおさまらないのではないか?EP8はEP8で、それなりにまとまっていたし、いっそこれを最終作にしてもらったら… という考えがよぎった。その想いは、現在も継続している。
 EP9の予告編が公開された時点で、本当に中身が読めないシーンがどんどん出てきた。もっとも衝撃だったのが、「レイの闇落ちシーン」、そして「パルパティーンの声」だ。こんなに読みにくい要素がでてくると、もうどうにでもしてくれというか、あれこれ予測する戦いを、放棄したくなる想いが、ますます強くなった。ということで、EP9では、新たな予測は全く加えようがない。あれこれ予測せずに、純粋に作品を楽しみたい。
 ただ、不安要素もある。予告映像に流れているいくつかのカットだ。まずは、氷の惑星らしき映像。

氷の城

アナ雪か?

玉座

ディズニーっぽいぞ
 造型がいかにもディズニーっぽいのである。もっとも、EP6に皇帝が登場する際にデザインされた玉座の間は、上記の映像とよく似ているので、かつての造型世界と、かけ離れているわけではないようだが。それにしても、なんとなくスターウォーズに出てくる構造物とは、何とも馴染まない気がするのだ。造形面での世界観を、壊してしまうような作品になっていなければ良いが、というのは正直心配だ。
 もう一つ、大量に密集して飛行する反乱軍の艦船。

たくさんの宇宙船

 大気中であっても、宇宙空間であっても、これだけの飛行物体が密集するのは危険だ。シリーズ中でも、ここまで艦船が密集して飛行した事は無い。SFなんて、嘘くさいものが有る程度羅列されていても、気にする事は無いのかもしれないが。ただこれは、懐かしい艦船を、オールスター出演的に露出させるためだけにこういった映像が作られているのではないか、と勘ぐりたくもなる。最後だから、何でもかんでも詰め込んでやれ!という趣向が前面に出すぎて、残念なことになってる部分がありやしないかという危惧は感じた。
 ということで今回は、期待も大きいが、一方で不安もものすごく大きいのである。
 更にいうと、スターウォーズ世界では禁じ手となっていたSF技というのがいくつかあり、それが覆されるのではないかという不安もある。一つが死んだ人間の復活。もう一つがタイムトラベルだ。パルパティーンの声が出てきたことは、予告映像の中でも最も大きなリアクションを呼んだ。個人的にも、シリーズではオビ=ワン(アレック・ギネスの方)と並んで最も好きなキャラだが。禁じ手を使ってまで復活させて欲しくないというのも本音だ。ただこれはまだ、予告では声だけの登場であって、姿が登場しているように見えるシーンがあっても、亡骸であったり幻影だったりするかもしれず、実際に作品を観てみなければどうなっているかは分からない。案外登場シーンは少ないかもしれない。予告公開直後のコメントでは、イアン・マクダーミドは、かつて使った音声を使い回しただけといったことをいっているが、年末に更に公開された予告では、明らかに新たな音声・台詞も入っている。もし再登場するならEP7、EP8の時どこ行ってたのよ?という謎もあるし、スノークとの繋がりも分からない。スノークは単なるパルパティーンの傀儡だったとかいうことなら、お手軽すぎてなんだかいやだが。
 最後にレイについて。これは新たな予測ではなく、EP8の時から一貫して思っていることだが、彼女は何かしらアナキンと同じような存在なのではないか、という予測はずっと変わらない。パルパティーンの孫とかいわれているが、それだとただのスカイウォーカー家とパルパティーン家の家族抗争のお話でシリーズが終わってしまう。そんな貴族間抗争みたいな戦争モノに回帰するようなことがあるだろうか?彼女はアナキンの兄弟か、同じような経緯で誕生させられた存在なのではないだろうか。
 おまけの予想として、今回はデス・スターが複数登場するのではないかというのはある。EP7では巨大デス・スター、EP8では簡易版デス・スター砲となると、次は複数のデス・スターが出てきそうという、安易な想像だが。
 いずれにしても、142分でカタがつくのか、というのが一番の不安。この時間で、多くのファンが納得する良い映画になっていればいいが。今回ほど、「駄作だったらどうする?」という不安を抱えつつ劇場に向かう作品はないだろう。もちろん、不安であると同時にとても楽しみにしている。

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