前回の投稿でコメント、スキをくださった方、本当にありがとうございました。
視界が明るくなっていくのを感じました。
お陰で、歩みを進めることができそうです。

さて、今回いただけたコメントを読んで、ふと思い出した事が、これでした。

仕事のストレスで荒れて酔っ払ったのび太のパパをタイムマシンで、のび太のお祖母ちゃん(現代では他界)のところに連れていく、というお話。
パパはお祖母ちゃんに会うなり、子どもに戻ったように泣きじゃくり、終いには甘えて寝てしまう。それを見たどらえもんとのびたのやりとりが上のシーンです。

※フィードバックとは、指摘や評価のことです。

大人になる＝フィードバックが少なくなる

自分より大きなものが亡くなっていくからです。

子どもの時の僕はかなり育てにくい子だったようで、常に母親が怒っていた記憶しかありません。
こども心に何でオカンはいつも機嫌が悪いんだと思っていました。俺よ、お前のせいだ。完全に。
けど、大人になるにつれて怒られる事も減り、今では、あの頃を思い出せないくらいに優しい人になってしまいました。
あの頃の僕はそうなってほしいと願ってたのに。今となっては会うたびに、『寂しい』が勝ってしまうんです。みんな公平に歳をとっていきますね。

10代〜20代では結構、叱られたり褒められたりはしてました。30歳を越えたあたりから、ダメ出しが極端に減った気がします。
それは、大人が大人を叱るという構図がみっともないからなのか、言った所で仕方ないという諦めからなのか、わかりません。
僕自身が、そこまで粗相をする事がなくなってきたからなのかもしれません。

とにかく自分の行動や発言へのフィードバックが少なくなっているのを肌で感じていましたし、周囲の中年以上の男性が叱られたり褒められたりするのを見たことがない事には気づいていました。

静かなるフィードバック

けど、フィードバックが無くなっているわけではないんですよね。
僕、鬱気味で休職した期間があるんですが、医師の診断を受けていない状態だと、周りは何で中尾が辛そうにしているか意味ワカランのです。純粋に心配してくれる人も居れば、怠けてると判断する人も居ました。
上司達の僕の扱いや、僕への態度の変化。
これってフィードバックですよね。

仲の良かった人から食事の誘いがなくなったり。
朝、挨拶しても素っ気なかったり。
そういうのもフィードバックだと思うんです。
僕に何か問題があった可能性を示唆しています。

同僚の悪い噂を聞いた後、その同僚への態度が変わったりしてしまうのも、相手へのフィードバックですね。

大人対大人は直接的なフィードバックはほとんど無くなる代わりに、間接的というか、暗喩的フィードバックとでも言いましょうか…
静かにフィードバックされています。

高齢になると性格は変えられない？

『おじさんに何言っても無駄だ』
『今さら性格は変えられない』

よく聞きますよね、これ。
けど、これ本当かなぁって思うんですよね。
僕の想像というか、自分も含めて周囲の状況を鑑みるに、そんな事はないと思うんですよ。
静かなるフィードバックに、しっかり気付くことができれば…

そこで、ある仮説を立ててみました。
高齢になるほど、感受性が鈍くなる事はないでしょうか。『箸が転んでもおかしい』という言葉が示すように、若さはそのまま感受性と解釈しても良いと思います。
年老いれば『静かなるフィードバック』に気付くことができなくなるのではないかと、そうとしか思えない場面を実際によく見かけます。

また『静かなる』は実害がほとんどありません。『直接的フィードバック』のように、叱られたり詰られたりする事がないのです。ですから、それに気づいていながら放置していても、どうということはなく、時が過ぎていくだけです。それで良しとしている人もよく見かけます。

もう自分は成長できないと思いこんでいる人も見かけます。今さらフィードバックに耳を傾けた所で何の意味もないと決めつければ、ほんとうにそうなってしまいます。

しっかりとアンテナを張って『静かなる』に耳を傾けて受信して、問題解決に向けて行動を起こせば、その過程で成長できない人間はいないと思います。

上司に噛みつく男

僕は会社で重宝されていると感じています。僕はその事をすごく幸せだと思うのですが、そうなった理由は色々あるんですけど、一番は上司に噛みつくからだと思っているんですね。

『こんなん、おかし(く)ないですかぁ？！』

めっちゃ言います。会社のトップ2、3の方には特に。そして、少し過剰かなと思うくらいの感情表現をします。
これ、上司に対するフィードバックになってることに、今回気付いたんですよ。
周りがイエスマンだらけになってる所に

『こんなん、あきませんよ！！』

…とか言っちゃうわけです。
だけど、共感はしっかりしようとしているし、そういうのはしっかり伝わってくれているから、信頼されてるんちゃうかな、知らんけど。

大人はかわいそうなのか？

敬愛するＦ先生に異論を申し上げるわけではないのですが、僕はそんなにかわいそうでもないのかなって思いますね。
だってフィードバックは常に、その人の側にあるわけですから。
僕がかわいそうだなと思うのは、成長や向上心のない大人ですね。
不惑の四十に惑う僕を人は憐れむのでしょうか。

いいや、不惑に惑える僕は幸せ者さ。
不惑に『直接的』をくれる人達に恵まれた―

梔子(くちなし)
花言葉は『私はしあわせ』