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気が緩む今だから読みたいマンガ 『リウーを待ちながら』

みなさんは、緊急事態宣言下の中、いかがお過ごしですか?もう半月あまりがたちましたね。半月もたつと、街の人出も戻りつつあるのかもしれません。
そんな緩みがちな今だからこそ、最近読んですごく良かったマンガ、『リウーを待ちながら』をご紹介します。

首都圏に緊急事態宣言が発令されてから、半月あまりがたちました。

感染者数が2000人を越えた年始からだんだんと下がりつつあるなか、もう半月で緊急事態宣言も解除されようとしています。

感染症に関する映像作品は去年いくつか有名になりましたね。
「復活の日」や「コンテイジョン」
それらに引けを取らずリアルな描写が素晴らしいのが、

『リウーを待ちながら』です。

舞台は、富士山麓の美しい街・S県横走市。そこで駐屯している自衛隊員が発熱と風邪の症状で突然死し、地域住民にも同様の症状から相次いで死亡する。というところから、ストーリーが始まり、主人公の女医が感染症と奮闘する物語がものすごく「リアル」に描かれています。

ちなみに、リウーとは、カミュの著した名著『ペスト』に出てくる主人公の医師の名前です。

こちらも、コロナの影響で売れている本です。

この中で、ペストと戦うリウーと新聞記者のランベールとの対話があります。戦争を経験したランベールはこう言いました。

「僕はもう観念のために死ぬ連中にはうんざりしているんです。僕はヒロイズムというものを信用しません。僕はそれが容易であることを知っていますし、それが人殺しを行うものであったことを知ったのです。僕が心をひかれるのは、自分の愛するもののために生き、かつ死ぬということです」

カミュ. ペスト(新潮文庫) (Japanese Edition) (Kindle の位置No.2889-2891). Kindle 版.

これに対してリウーはこう返しました。

「君のいうとおりですよ、ランベール君、まったくそのとおりです。ですから、僕は、たとい何もののためにでも、君が今やろうとしていることから君を引きもどそうとは思いません。それは僕にも正しいこと、いいことだと思えるんです。しかし、それにしてもこれだけはぜひいっておきたいんですがね──今度のことは、ヒロイズムなどという問題じゃないんです。これは誠実さの問題なんです。こんな考え方はあるいは笑われるかもしれませんが、しかしペストと戦う唯一の方法は、誠実さということです」
カミュ. ペスト(新潮文庫) (Japanese Edition) (Kindle の位置No.2899-2904). Kindle 版.

なにかの主義に傾倒するのでもなく、楽観するでもなく、必要とされているのは「誠実さ」ということ。それを教えてくれるのが『リウーを待ちながら』でした。

よろしければ、みなさんもお手にとって、読んでみてください。


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