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えべっさん

もうすぐ『えべっさん』ですね。

 全国的には“西宮えびす神社“が有名ですね、大阪では”今宮戎神社“が賑わいます。
僕の生家から確か徒歩3分ぐらいでした、近くの大きな交差点の名前が恵美須町ですから『えべっさん』には親近感があります。

 そんな土地に生まれ育ち、一時は商売もしてた訳ですから色んなエピソードが御座いまして、お客さんや周りの物知りに思い々の蘊蓄を聞かされるのです。

 表記はどれが正しいか問題?

「戎」は「戎」で良いのか?近くの交差点名は「恵美須」だぞ
西宮は「えびす」やし、東の方は「恵比寿」だ!
ひとりのお客さんが店番の若造に蘊蓄を話し出すと、それまで本棚を物色していた別の客が「ちゃうやろ!」と異議申し立てをすると言う具合だ

 『えべっさん』は耳が遠い問題

 えべっさんは耳が遠いので裏に言って、「あんじょうたのんまっさ〜」と声を掛けなければ、願いが届かないと言う、「その方法やと、願い届きますん?」と問いかけると、だいたい「ま〜ボチボチなっ」と返ってくる。

そんな会話の中、暴れん坊の常連客が「えべっさんなんか行かんでええねん!」と声高らかに割り込んでくる…必ずだ。

 オッサン曰く
 「そもそも、えべっさんは商売の神さんや無い、竿と鯛を抱えた漁師の神さんや!「商売人は大国町のだいこくさんに行けばええねん!」とぶった斬る。
「オッサン、立ち飲み屋で話ししてるんや無いねんから、ぶった斬るなよ!」と心の中で一応言っとく。
そんな、昭和の古本屋の日常があった。

 えべっさんで”福娘“ではなく“吉兆売り“の経験もある。吉兆売りは女性は“福娘”だとしたら男性は“福男”と安直な発想をしてしまうと、大怪我をする。確か“福男”と呼ばれるには西宮えびすを駆け抜け一等勝を取ったものだけが名乗れる”称号“なのだ。

 私が経験したのは、今宮戎神社の境内の片隅で笹に吉兆をつける役と、ひたすら「商売繁盛で笹持ってこい!♪」とひたすら、参拝者を呼び込む係だ。

 日本橋商店街の組合員の威厳をかけて”えべっさん“を盛り上げてなければいけない‼︎
そんな指名感の元に三日間が終わった。

四日目に高熱を出した思いでだけが残っている…

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