【洋画】「ブギーナイツ」

1997年のアメリカ映画「ブギーナイツ(Boogie Nights)」(ポール・トーマス・アンダーソン監督)。

実在したポルノ男優をモデルにした、1970〜80年代のアメリカのポルノ映画業界の栄枯盛衰の様を描く。

ディスコで皿洗いのバイトをしてた高校生17歳のエディ。
30㌢もの巨根がポルノ映画監督のジャック(バート・レイノルズ!)に見染められて、ポルノ映画の新作に出演することに。
巨根はもとより、絡みの演技も上手くて、次々と映画は大ヒット。
賞も貰って、瞬く間にポルノ業界のスーパー・ヒーローに上り詰める。

エディが飛び込んだポルノ業界は、麻薬に溺れる女優や色情狂の妻に悩むマネージャー、お小遣い欲しさに道端で異性を誘う連中、エディを誘うゲイの男など、実に様々な底辺の人間が存在してて、成功を手に入れたエディは、調子に乗って、家、クルマ、女の子、そして、ドラッグと次々に手を出して刹那的・破滅的な日々を送る。
しかし、名声を利用して撮ったヒーロー・アクションものやロックはコケてしまい、大金を失って、巨根も勃たなくなって、映画監督のジャックは彼をクビにする。
落ちぶれて道端で巨根を見せて金を得るようになって、強盗を企むが友人が殺されて、ついに映画監督のジャックに詫びを入れることに…。

アメリカのポルノ業界を舞台にした、一回上り詰めてどん底まで落ちた若きポルノ男優の物語だけど、ラストに鏡の前で巨根を晒して(モザイク入り、残念)、「僕にはやっぱりコレしかない」と再起を誓うなんて、安っぽいボンクラな青春映画のようでイイね。しかし、30㌢の巨砲、羨ましいったらありゃしないけど、硬くなるんだろうか?

登場人物全てがマジメに懸命に必死に生きてるのだが、必ずどこか外してイタかったり、笑いを誘ったりする。コレはユーモア溢れる性のマイノリティへの讃歌なのかもしれない。

来るべきアダルト・ビデオの到来を予測する金持ちの提案は流石だね。

ポルノ業界を題材にしてるけど、いやらしい場面はそれほどなくて、関わった人間一人一人に焦点が当てられている。不幸な出来事もあるけど基本は皆、明るい、ミスマッチも多くて笑える。80年代のアイテムが満載なのも良い。

「神は誰しも一つくらい誇れるものを残してくれる。僕はこのデカいイチモツだ」。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。