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「飢えたライオン」

パッケージにいっぱい受賞とか正式出品とかあったので、期待して借りたけど新作だったのかぁ。

めっちゃ気分が悪くなる、なんともいえないイヤ〜な作品だった。予想はできたので衝撃的とは違うけど。前に似た様なアニメを観たなぁ。ーー緒方貴臣監督の「飢えたライオン」(2018)だ。

担任教師(逮捕)との淫行動画に出てるとのウソの噂を流された美人女子高生が、友人や彼氏にも避けられ、イジメに合い、学校や地域でも噂になって、彼氏の先輩にも暴行されて、彼氏にフラれて、挙げ句の果てに鉄道自殺に至る。その後も、真実とは遠いところで、学校やマスコミが騒いで、残された家族は引っ越して幕を引くという現実にもありそうなストーリーだ。

美人女子高生はSNSでも人気者でクラスの友人やバスケ部の後輩にも慕われてたというけど、やっぱりそれは表面上やネット上のことで、皆は退屈から血祭りに挙げられる獲物を探しててターゲットにされたのだ。

死んだ後に「ねえねえ、あの動画マジでしょー、ヤバいよねー。死んでさらに人気が出たよねー」と友人らとはしゃぐ女子高生。

“カワイイ”をキーワードに必死にそれを演出する女子高生と基本、ヤルことしか考えてない男子。デジタル時代になっても逆に人間は原始的になってる様な気がする。

SNSってFBをはじめ、俺も精一杯利用しているが、結局、リア充か不幸自慢で限りなく嫉妬を喚起するツールだよね。繋がりを持ってコミュニケーションを取ってる気がするだけ。

「飢えたライオン」とは、ライオンが食い散らかした残飯を他の動物が争って奪い合うことらしいが、一旦弱みを見せた人気者を皆がよってたかってひきづり下ろして攻撃、死んだ後も皆がイメージする人物像がマスコミによって一人歩きしてしまう。学校と大人は責任逃れに奔走しステレオタイプな意見を述べるだけ。現代大衆の恐ろしさだ。

日本映画らしい稚拙な部分もあると思うけど、監督は一方的な場面の切り替えで問題提起はしてるけど何を訴えるでもなく、坦々と事象だけを描いてて、観る方もハッキリと何かが違うといいたいけどいえないというもどかしさに身を捩るしかない様な冷たい映画だった。

後味悪っ!

美人女子高生っていうけど美人じゃねえし。これもフェイクでアプリで作ったということか。

しかし、自分の高校時代と比べると格段の違いに驚くね。俺の時ははっきりいって軍隊だったなぁ。今が羨ましい…。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。