「知覚の扉」

ジム・モリソンのThe Doorsはこの本から名前を取ったらしい。

若い頃に読んだ時はチンプンカンプンだったが、片麻痺ジジイになった今は理解できた。

著者が、数々のアーティストらが体験したという、素晴らしい知覚の可能性を求めて、自ら幻覚剤メスカリンを摂取した時の体験記とその考察だ。

素晴らしい次元を超えた至高体験が訪れると思いきや、メスカリンの作用は基本的に今、著者が持ってる体験の過度の発散に過ぎず、著者自身の“貧弱”な世界に他ならなかったという。

しかし、劇的な革命的変化はなかったものの、眩い光を目撃する。そして、世界、宇宙からのありとあらゆる刺激を受けており、著者がこの世界に“在る”ために必要なものだけを“知覚”していることがわかったと書く。

メスカリン体験後、ゴッホ等の絵画を見るが、描かれた題材が単なる象徴に思えたり、そこに自分との同意を発見して絶対や永遠を感じたらしい。

一方で、物に絶対を感じる分、人間関係に無関心になってしまったとする。そこに統合失調症(当時は精神分裂病)との共通点を見出してもいる。

人間は外から摂取しなくとも、脳内で非常に強いドラッグを作り出してもいるが、ドラッグを摂取することで起こる意識や知覚の変化は、夢のように体験に促してるのだろうが、ドラッグの作用と普段の人間の意識とどのように関係してくるのか難しいところもあるね。

ドラッグの作用が、人間の脳を優に超えた素晴らしい表現を生み出すことはたくさんあるしね。

俺の貧困なドラッグ体験(オランダ・アムスでのマリファナ、マジックマッシュルーム、ケミカル他)では理解できないかもしれん。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。