【邦画】「萌の朱雀」

1997年公開の「萌の朱雀」。YouTubeにて。

監督は、ちょっと問題のあった河瀬直美。コレも「人生で観ておくべき日本映画ベスト50」入り。

過疎化が進む日本の寒村(奈良の西吉野村)が舞台。
そこで生活する田原家の5人の移り変わりをドキュメンタリー風に描く。

夫婦と娘、夫の姉の息子、夫の母の5人。でも、夫は、村の鉄道のトンネル開通工事に従事していたが、中止になって失意のままに失踪する。夫婦の娘は、幼い頃から兄のような存在であった夫の姉の息子に恋をする。しかし、息子は、長く姉ちゃんと慕って来た妻に思いを寄せている。妻は、夫の失踪後、近隣の旅館に勤めに出るが、体調を崩して倒れてしまう。妻と娘は、妻の実家に戻るために村を後にする。村の家には、夫の母と息子が残される。

日本の限界集落を題材に、生きるために、いろんな想いを残して、村を出る妻と娘。

エキストラとなった村の人々の仕草や表情も自然でイイ。山村の風景は言うまでもない。

贅肉を削ぎ落としたような、台詞の少ないストレートな演出が、わかりにくくて誤解を生むこともあろうかと思うが、日本らしい“無常感”の表出は理解できる。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。