「愛の顚末」

島尾ミホの自伝を書いた著者の本。

明治・大正・昭和の作家12人の恋愛、結婚の様相を曝け出したような内容だけど、いや〜、面白い。

自分の感情や欲望に忠実で、世間や常識、道徳といったものを超えたところで常に生きている。

そんなことができるから、文章で感動させる表現が可能なのだろうけど。

俺が気になったのは、まず鈴木しづ子。男女の“まぐあい”を素直に書いて、情痴俳人とか娼婦俳人とか言われた美貌の俳人なのだが、いきなり消息を絶って、今だに行方知れずという。

あと、宇野千代と彼女の夫と決闘騒ぎになった梶井基次郎との不倫の関係、虐殺された小林多喜二と沈黙を守った恋人の田口タキ、3人目の妻がメッチャ悪妻だった寺田寅彦、純朴過ぎていじらしい八木重吉などなど、全て、そのまんま小説になりそうだ。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。