「アーロン収容所」

戦時中の悲惨な捕虜収容所体験かと思って手にしたけど、俺には読む価値もなかったウンコ本だった。金返せ。

「万が一、ふたたび英国と戦うことがあったら、女でも子供でも、赤ん坊でも、哀願しようが、泣こうが、一寸きざみ五分きざみ切り刻んでやる」「イギリス人を全部この地上から消してしまったら、世界中がどんなにすっきりするだろう」…。

著者の当時の心情だというが、これらの個人的な恨みを募らせた言説だけでも、著者の性格や考えがわかろうというものだ。

さぞかし悲惨な収容所体験なんだろうなと思いきや、他のアジア各国での当時の日本兵の置かれた環境と比べるべくもなく、単純に比較はできないのはわかってても、暴力を振るわれるでもなく、殺されるでもなく、ただ「蛇の生殺し」のように強制労働に従事しているだけで、けっこう自由に動き回ってる。

確かに、糞尿の処理など、汚い仕事をやらされて、寝る場所も、ノミやシラミ、伝染病が蔓延してたりして、ビルマで降伏した日本兵が辛酸を舐めたのは理解はするけど。

著者はすでに故人だが、戦後、歴史学者であって、保守派の論客ということでなるほどと納得がいった。

同じ体験者の水木しげる先生の足元にも及ばない。

挙げ句の果てには、「日本人は家畜を飼うという経験がなく、屠殺についても知らない。しかし、英国人をはじめヨーロッパ人、中国人、ビルマ人は屠殺と屍体処理に慣れている。だから捕虜の虐殺やその処遇に慣れている」と書く始末。

日本軍がアジア各国で行った多くの行為を無視するのだろうか。

そして、ビルマ人は、インド人はどうたらこうたら…人種で判断して決めつけてもいる。

こんなことで、西洋ヒューマニズムの限界なんぞというべきではなく、当時の愚かな行為をした日本人の思考の限界だったというべきだろうね。

今だに日本は違うと優位的に思いたい“老人”どもにはウケるだろう。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。