【戦争映画】「1941 モスクワ攻防戦80年目の真実」

スピルバーグじゃない、今世界が注目するロシア製作の戦争映画「1941 モスクワ攻防戦80年目の真実(The Last Frontier)」(2020年、バディム・シメリェフ監督)。

第二次世界大戦下、ナチスドイツがソ連に侵攻して、1941年10月から、首都モスクワの陥落を試み進軍するのを必死に防衛するソ連軍と学徒兵を描く。ソ連側から見た“モスクワの戦い“だね。

多分、史実に即しているのだろうけど、侵攻するナチスドイツへの憎しみが増して、モスクワを死守するため、兵力不足を補うために動員された訓練中の若い学徒兵の、過酷な最前線での悲劇が強調される、ある意味、国威発揚のロシア愛国映画だね。

しかし、弾が飛び交う最前線の戦場で、おさげ髪のカワイイ女の子(赤十字)が学徒兵に混じって動き回るのはなんだか浮いてるよねぇ。

その子を巡って学徒兵同士が争ったり、密会したり、友情物語だったり、青春劇でもある。

戦車や大砲など、当時を忠実に再現したドラマであることは言うまでもない。昔のタンクってキャタピラーが大きくて無骨でなんか味があってイイね。プラモデルが欲しくなった。

長いし、ちょっとストーリーを詰め込み過ぎの感はある。最後の方で、敵に囲まれ、自らの命をかけて、隠れて戦車に大砲を撃つシーンは目が釘付けになったけど。

「例え死を迎えようとも、我々は英雄として死ぬ」「我々の辞書に降伏という文字はない」「英雄になれ」「モスクワを守れ、モスクワのために戦え」「命懸けの抵抗をナチスに見せつけてやる」「若者はモスクワと母国を守るために戦っている」…。やっぱり結局のところは戦争“賛美”映画だね。

22世紀に向けての戦争映画は、年齢制限はもとより、徐々に禁じられていくんじゃないか?リアルを追求するあまり、残酷場面があるということで。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。