「文藝別冊 高峰秀子」

“デコちゃん生誕100年”ということで、遠い関東ではイベントが行われるようだが、行けない俺はイジイジとこれでも読む。

いろいろと身内のことで苦労もあったろうけど、潔く人生の店じまいを行ったデコちゃんの魅力は、400本以上に出演した映画のみならず、30冊を超える著書でも、その一端はうかがえる。

小学校も1年くらいしか通えなかったデコちゃんだが、文盲となるのを心配した小学校の担任だった先生が、いつも数冊の子供雑誌を家まで届けてくれたことや、撮影の合間に書店で安い岩波文庫を買って貪り読んだり、出演をキャンセルした作品も含めて数多くの脚本を隅から隅まで読み込んで記憶したり、結婚してからは、夫・松山善三が創作する脚本の口述筆記を長期間、続けたりしたことで、あの、一流作家も舌を巻くような、ムダのないサッパリとした美しい文章を書くようになったのだ。

三島由紀夫との対談も面白い。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。