なぜ今ヴィーガニズムなのか



 ヴィーガンというのは度々「完全菜食主義者」と訳されているのですが、実際には単に菜食をするだけでなく、毛皮も皮革も身につけない、とにかく動物を殺す製品は買わない、作らない、使わない、という生活を実践している人のことなので、完全なベジタリアンと言うと少し語弊があります。また、健康目的での菜食主義者でもなく、主として倫理的な理由から菜食をしているのです。
 それでヴィーガン、或いはヴィーガニズムに良い日本語訳はないものか、と思っていたところ、私の盟友の林かなえさんと言う和食ヴィーガンの提唱者の方が「ヴィーガン」に「美貫」という当て字をされていたので、これは素晴らしい訳であると、私も感じたのでした。
 真に美しい生き方を貫くのが、ヴィーガンなのです。ヴィーガンというのは倫理的な生き方の実践者ですから、これほど相応しい訳はないと思います。なので、ヴィーガニズムという単語も「美貫主義」とすれば良いと思います。
 やはり外来語は当て字によって訳すことの方が相応しいこともあるのです。例えば「クラブ」は「俱楽部」と訳されています。別に会社や役所の部署でもないのに「部」という文字を使うのはどうなのか、と理屈を言えばなるかもしれませんが、しかし「会員制親睦団体」等と訳すよりも「俱楽部」と訳した方が何となくしっくりきます。
 仏教でもサンスクリット語を当て字で漢語に訳した例は多々あります。ですから、美貫についても当て字でよいと思います。

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