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キオクノート #14 開業準備〜開店「羽山料理店」

もうそれは途方もない超苦手な事務作業のオンパレードです。

物件を仮契約したら、さっそく国金(今の日本政策金融公庫)での融資に必要な書類作りです。

まずいちばんお金が必要な賃貸契約の部分、ここは最近は保証金が必要ない場合もあって一概には言えないんですが、当時は家賃月額の10倍とかを最初に収めなくてはいけなかったので、融資が下りなかったらどうしようもありません。

物件の大家さんと話し合い、これから融資を受けること、支払いはその後になることを確認して賃貸仮契約書を発行してもらいます。

物件が決まったら次は内装です。

ぼくは仲良くして頂いてる建築デザイナーさんがいたので、現場に来てもらい、イメージを伝えて図面にしていただきました。

方向が決まったら、厨房設備、テーブル、椅子、トイレなど内装家具備品がどれくらい必要か算出し見積もりをデザイナーからいただきます。

すべて自分で揃える場合は自分で家具屋さん等に見積書を発行してもらいます。

厨房と客席のサイズがわかれば厨房設備と食器などの見積もりも取れます、ここで独立前のメモが活きてくるわけです。

前記事参照⬇

次に並行して、事業計画書、コレは国金でもらう用紙に記入でもよいのですが、ぼくは別でA4用紙15枚位になる計画書を作成しました。

今思えばあのボリュームはいらなかったし、アチラとしてはどう返済するかが重要なわけで、ぼくの将来の展望を熱く語らなくても良かったかとは思います、が、ここは担当面接官次第かもしれませんね。

この書類を仕上げる頃には、これで面接して融資を待つ、という段階まで仕上げて置かなければいけません。

料理の内容も価格に連動するので、客単価や売上予想に必要ですから、内容までとは言いませんが価格帯は決めなければいけません。流行った場合だけでなく、暇な場合でも返済は可能というアピールも必要です。

このとき、家族からの助けもあり、融資は1週間ですんなりと通って、物件を本契約、内装工事スタートとなりました。

物件に出会って約10日くらい、4月の末に工事が始まりました、一般よりかなりスピードが早いと思います。

工事は時間がかかるので、食材の生産者さんや、食器の作家さん、ほかの店のリサーチなどをこの工事期間にこなしていきます。

現場にも顔を出して、ここにコンセントほしいとか、数センチ上げてほしいとかの細かい修正案も提示していきます。

完成予定は業者から提示されますから、逆算してオープン日を決めます、そして開店を知らせるDMづくりに発送。

引き渡しはオープン1週間前です。

食材を発注し、ワインも買い、メニューを決め、スタッフも決まり、仕込みを始めます。

この時の記憶は正直言うと必死でほとんど覚えてなく、不安はほぼなく、やらなきゃやらなきゃ、やっとできるっていう心境でした。

そして2004年5月27日開業、開店。

神戸時代の知ってるみなさんも、近所の方々もたくさんいらしていただきました、お祝いのお花もたくさん。

不慣れなぼくたちを見て先輩がたが皆さん手伝ってくれて嬉しいオープンとなりました。

オープンまでは、まぁ単刀直入にいうと、お金があれば誰でもできるとおもいます。

開業した7割が廃業するという飲食業、コレを続けるには、また違う精神とパワーを使うということはまだまだこの時は1ミリも思ってないのでした。

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