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ちから

息子が3歳くらいの頃。
自分の力が怖い、と言って急に泣き出した。
成長に伴い、自分がコントロールできないような力の衝動みたいなものを感じたようだった。

そんな息子の15歳の誕生日に「世界はもっと美しくなる」という本をプレゼントした。
作家の寮美千子さんが関わられた少年院の子供たちの詩集だった。


それを毎日ちょっとずつ食い入るように読みながら「犯罪に走る子も、ある意味被害者なんだね。みんな辛くて大変な思い抱えて、どうしようもなく犯罪に走ってしまうんだね」と言ってきた。

息子が中学1年生くらいまでは、ちょっと素行が悪い子とか、態度が気に入らない子のことをひどく嫌っていた。今思えば、自分の中の力や衝動を抑えられない恐怖心から、そうはなりたくない自分自身のために予防線を張ろうとしていたのかもしれない。

子どもは、親が思っているよりずっと先を見て、一生懸命生きている。

やはり未来を生きるに相応しく、私たち親には想像もつかない感覚を持っているのだと思う。表面だけ見て、子どもの「一生懸命」に水を差してはいけないなと改めて思った。

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