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期待値を超える

「期待通り」では満足しない

ずいぶん以前ですが、ITメディアにこんな記事を書きました。

顧客満足とは、期待以上の驚きを与えること
https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0906/17/news027_3.html

もう10年以上経っているので、オイシックスに関する情報は古すぎますが、顧客満足という人間心理に関しては変わることはありません。ユーザーに満足してもらうためには、

期待値以上の驚きを与えること

それに尽きます。

インパクトはギャップから生まれます。ギャップが大きいほど、口コミも伝播します。驚きがあれば、人に言いたくなりますよね。サイトを訪れるユーザーは、何かの情報を見て来る人が多いわけで、その情報を元に無意識レベルでサイトを予想(期待)しています。

その予想と実態とのギャップがポジティブなものであればOKですが、ネガティブなギャップであれば、二度と来てくれません。

ポジティブギャップを生むための唯一絶対の秘訣があるんです。それは、

相手の期待値を下げること(笑)。

なんやねんそれって言われそうですが、これに勝るものはありません。期待値を実態以上に高めてしまうと、失望を生みます。究極は詐欺と言われます。

しかしですよ。Webに関しては特に、ある程度期待してもらわないとクリックしてもらえない。その塩梅が悩ましいところではあります。

私は20年ほど、書籍→セミナーという集客方法を主体にしてきましたが、書籍を出すのとセミナーで話すのはだいたい私が担当し、実際に成約して案件を動かすのは社員が担当していました。そこで、場合によってはネガティブなギャップが生じてしまうのです。期待値を下回るんですね。

もちろん、担当するすべての社員にマインドもスキルも浸透させ切れていない私の責任です。まあ、クレームというのは相手の性格やこちらとの相性もあるので、一概には言えないのですが、当時はそこが一番の悩みのタネでした。頻繁に勉強会をしたり、合宿したりして何とか改善を試みました。

私の場合は、Webプロデュースとかコンサルティングという領域だったので、そんな集客方法でしたが、例えばECの場合も同じです。Twitterなどに広告を出して、「酵素ドリンクで置き換えダイエット」なんて謳って、ビフォアアフターの画像をどれだけ載せたところで、実際に効果が実感できなければリピートしないですよね。食事を一食置き換えるだけでは、期待値は超えられません

余談ですが、実際に痩せるほど食事制限するのは、相当きつい減量プランです(元ボクサー的に言うと)。楽なダイエットなんてないですが、食事だけで痩せるのは、たぶん一番きついです。

さらに余談ですが、以前ベトナムの某テレビ通販の制作現場を見させてもらったことがあるのですが、そこではエグいレベルでPhotoshop加工されていて、ドン引きした記憶があります(笑)。

最良なのは正直品質

「なんじゃそのサプリメーカーみたいなオチ」って言われそうですが、会社として、できることとできないことを事前に伝えると、それほどギャップが生じることはありません。案件を取ろうとして、できそうもないこともできると言ってしまうのは、経験上、不幸な結果しか生まない。

その上で、期待値(予測値)を少し超えるにはどうすればいいかを考える。それは、実に小さなことでもいいんです。少しだけ超えればいい。

最もいいのは、品質でサプライズさせることですが、それのみだとユーザーはすぐに慣れてしまう。競合もすぐに真似てきます。ECやってると経験すると思いますが、競合は常にあなたの動きをウォッチしています。

品質+αで、常にサプライズを与える。ECであれば、想定していたよりも商品が早く届いたとか、「初めてのご購入なので、もう少し長く使ってほしいから」と、サンプルを一つ入れておくとか。

お金をかけなくても、手書きのメッセージ一つでもいい。売れるようになると超めんどくさいです。だから、競合はコピーで対応する。その中で、本当に1通ずつ手書きで、個別メッセージがあると、ちょっと驚きますよね。

そういうのも、立派なCRMです。他がやってなくて、めんどくさくて、お金がかからない方法は、他にもいくらでもあるはずです。それを常に考えて、期待値を少し超えてください。

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