見出し画像

ぼくの奥さん #2 「あの夜ぼくは、なぜか寒空の下家の外に閉めだされた」

※暇だからまた「こんな感じかな」と、パートナー目線で書いてみた。

最近は減ったけれど、ぼくの奥さんは酒に呑まれるくせがある。1年に1回くらい、いや2回くらい、連絡なしに帰ってこないことがある。

大学に入学した頃は「この子はめっちゃ酒強い子やなぁ(なぜか関西弁)」と思っていたのに、数年経ったあとに一度「あれ?」と思う出来事があって、大学を卒業する頃には、1年に一度くらい「あぁ、今日がその日だったか…!」と思う日にぶつかった。

ビール、日本酒、なんでもござれ。と張り切って飲むのに、日によって全然お酒が飲めなくなる。

「ともだちの白いワンピースに赤ワインこぼしてん…」

と帰ってきた日は、「もうさすがにやめてくれ…」となぜだかぼくが泣きたくなった。

※あれは本当にごめんなさい(本人談)

なのになぜだ。一緒にいる日はあまり飲まない。「外で飲むからあんまり家では飲まないの〜」と君は言うけど、いやいや逆でしょ。外で飲まずに家で飲め。イタリア、フランス、アメリカ、スイス。いろんな国で買ってきたワインがうちにはたくさん眠ってますよ。ちなみに買ってきたのはぼくです。彼女によろこんで欲しくて国境を超えて持って帰ってきてるのに、なぜ飲んでくれないの…?(==)

知美の「1年に1回神話」は仲間内では地味に浸透しているから、「はい、知美の失敗ランキングは!」とかって飲み会や泊まりがけの旅行だとたまーに聞かれているようですね。ぼくがいないところでも、君は華々しい終電の乗り過ごし方を、華麗にご披露しているのだと思われます。

全部問題ない。基本的に全部ひっくるめて問題ないんだけど、1つだけ言わせてほしい。

君のお酒の失敗談第1位は、外での失敗でもなく! 終電の乗り過ごしでもなく! 家に帰ってきてからのことだからね!!

口喧嘩ならまだいいよ。でも…なんで意味不明に怒って、「もうアタシ出てく!」って家に帰ってきたばかりなのに出ていきたくなっちゃって、ほんとに出ていっちゃうから追いかけたら、「ついてこないで〜泣」となって、「冬だから外はもう寒いよ」って言ったら「じゃあ交代!」って俺が最終的に閉め出されるという事態が起こるのかな……

いまでもまったく理由がわかりません…

わからない……女心は秋の空ってレベルじゃない……。


ふぅ。一回誰かに言いたかったから、これでもう気が済んだ。もう何年も前の話だし、たしかそれは20代前半の若い頃だし、飲み屋でウケ狙いで言えるくらいにはぼくだってもう笑えちゃうので、まぁ今更よしとしよう。

補足するけど、ふだんはとってもいい子なんですよ? 嘘つかないし、まっすぐだし。焼き鳥与えておけば黙っているし、甘いもの買って帰るといっつも全力でよろこぶし。夜更かし好きだから朝は強くないけど、歌が好きでいつも何かを歌っているし、機嫌がよければ踊っちゃったりしているし。
何より顔に出るから分かりやすい。その分怒りも不満も漏れ出やすいんだけれど。

なんというか、世界一周を許しましたといきなり言うと、「えぇ!?」と言われたりするのだけれど、こんな感じで何年か積み重ねてきたことだから、ぼくにとってはそこまで奇想天外な話じゃない。

「家庭、刺激あるね」とよく言われる。刺激的ではありますね。でもまぁ、ぼくは彼女が笑っていてくれればいいんじゃないかと思っています。良くも悪くも、彼女はふつうの人だしね。スターじゃないし、アイドルでもない。ごくごく一般的な、ふつうの人。

ぼくのところに帰ってきてくれるなら、ある程度のことはOKです。もちろんいつも隣にいてくれたら、それほどうれしいことはないけどね。

って言いながら、きっとぼくは彼女を守りたいんじゃなくて、自分の家庭をただ守っていきたいだけ。

「守備力あるね」と言われます。たしかに攻撃力だけなら、彼女の方があるのではないかと思われます。

***

(書き終わって何度か考えたんだけれど、これを世間に公表する自分のメリットがそんなに見当たらない。笑 でも書くの楽しかった)

ぼくの奥さん#1 「基本的に家にいない」|佐野知美|note(ノート) 

いつも遊びにきてくださって、ありがとうございます。サポート、とても励まされます。