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紫の花咲き誇る、西海岸の街【オーストラリア・パース】

パースの街中をシンボルのように流れる川を、「スワンリバー」というらしい。

夜、私はその川の向こうに見えるサウスパースの街並みの夜景を、美しいな、と思って高層階から眺める。

今朝は、5時過ぎに朝日の気配に一度目を覚ました。昨夜、テラスの西側に沈んでいった太陽が今度はテラスの東側から、顔を出しそうだった。

空の色はオレンジ。あと1時間もすれば、2歳の女の子と4歳の男の子が、元気に起き出してきて、彼女が昨夜の食器を片付け始めるのかもしれない。

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11月初旬に、Facebookで「オーストラリアにいる」と言ったら、昔同じ教室で学んでいた女の子が、「いま、パースに住んでいるよ」と連絡をくれた。「ベッドルームがひとつ余っているから、もしパースに来ることがあれば」と。

高校の時の私はすごく、なんていうんだろう、今みたいな感じで自分勝手で、そしてすごく、やっぱり今みたいに早口だった。

彼女は学年の中でも飛び抜けて可愛くて、私が10しゃべる間にやっと3くらいしゃべる、みたいな速度の、とても女の子らしい話し方をする子だった。

私はいつも、こんな子になれたらいいなぁ(正確には「なれたらよかったなぁ」という過去形)と思いながら、彼女と話をしていた。キラキラした目で、ゆっくり笑う女の子。

20歳の時に同窓会を企画して以来、彼女には会っていなかった。何年ぶりかって、数えるのはやめよう、と暗黙の内に言いたかった。

とにかく久しぶりに、私たちは会ったのだ。

あの頃は、こんなことをしたね。
あの後、私はこんなことをしてね。
子どもたちは、こんな子でね。

ゆっくりと少しずつ、昔よりも登場人物を増やして私たちは会話をした。

背景は、パースの街並み。春から夏になるパースは、今まで訪れた6、7のオーストラリアの都市に比べて一番涼しく、また空気がからりとしていた。前評判に違わず、美しい街だな、と素直に思う。

青い空に溶けそうな、紫色の小さな花。ブリスベンで咲いていた、ジャカランダの花がパースでもまた見頃を迎えていた。

足元には、咲き始めの、けれど名前の知らない花がたくさん。(時折、もはや花なのか判別できない)

車に乗って、パースの街を走る。キングス・パーク、スビアコ。彼女の時間の合間を縫って、いろんな場所に連れて行ってもらった。

「パースは、日本よりも空が高い気がする」と彼女は言った。

「私もそう思うな」と夜景を見ながら思う。明日はどこへ行こう。フリーマントル、ロットネスト島、サウスパース、ピナクルズ。

例によって、まだあまり何も考えていない。ゆっくりしながら、たくさん文章を書いて、写真が撮れたらいいな、としか思っていなかった。

まぁいいや。とにかく今日は、そろそろ眠ろうか。そんなことをつらつらと考えながらベッドにもぐる、2日目の夜。


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