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12月28日、お願い今日という日が暮れないで【日本・東京】

遠く暮れてゆく夕陽、もう何度見つめて生きてきただろうと思う。けれど毎日想う。「だってキレイなんだもの」。

「知美は、結局世界はキレイ、としか言っていない」と言ったのは、あの佐賀の地で、誰だっただろう。

「君は『 "それでも" 旅に出たい』と、いつもいつも言っている」とあの人も言っていた。そう私は「それでも」旅に出たい。

美しい世界が、あの海の向こうに広がっていると7歳の頃に知ったから。

合理性や、経済の持続性は、きっと後からついてくる。「見たい」と言うから、「感じたい」と叫ぶから。けれどもういつでも行ける手段を得て、ではあとは走るだけ。

すごい1年だったねぇ、と互いにみんな、振り返る。がんばったと思う。眠って起きて、通って歩いて、時には駆けて、しゃがんだり。「どこまで行けるか」と競っていた。けれどもう4年も駆けた。生きる場所も仲間も手元も、すべてすべて、整った。

12月28日の夕陽が、暮れてゆく。また1日が終焉に向かうのだ。暮れて更けて、夜が始まりになることだって、あるだろう。繰り返す積み重ねの美しさは、結局何事にも代えがたい。

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365日、本当に家を持たないまま暮らした2017年だった。

自分の鍵を握ること、琴線が触れるモノ・コトに囲まれて生きること、目が合って笑い合えるひとと暮らすこと。「人生にはリビングとソファが必要なのかもしれない」と気がついたのは、もうずっと遠く、イギリスのロンドンの旅だったというのにな。

「このまま突き進むのか」と、2017年はずっとずっと、悩んでいた。「今ならまだ戻れる」と戯けていた。

けれど決めたの。私はわたしの、道をゆく。

隣に誰かが居てくれたらいいなと思う。切実に。道なき道を拓くには、ひとりはあまりにも。あまりにも……。


どうして世界は、毎日色を変えるんだろう。地球をくるりしてきた子に、最初にかけたことばは「何を見て、何を感じてきたの?」。

広くてキレイでとっても。あたたかで切ない旅。

さぁ新しい年が来る、とやっともうすぐ振り返る。見つめる先は、もうずっとずっと未来まで。坂や嵐があるといえども、やはり一本道で続いているように。

暮れないで、28日。狭間でふわり、温もりに囲まれて眠る日、繰り返せない美しさが生きるということだとするならば。

世界は刻一刻、あたたかな風が吹くようになってきた、と私は今年、毎日感じてる。

一年間、おつかれさまでした。次にくる年は、いまの年よりも、きっと美しくなると想うから。


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