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【イベントレポ】天空の贈り物〜KAGAYA星空の世界展〜

そごう横浜店内のそごう美術館にて開催中のKAGAYA『星空の世界展』。

プラネタリウム好きなので、ずっと気になっていたが、会期終盤にようやく駆け込んできた。

マニキュアが意図せず、マッチ。

会場内の作品はすべて写真撮影OK
Twitterのフォロワー89万人超えのKAGAYA氏ならではの、大盤振る舞いだ。

みんな、ここぞとばかりに撮りまくる。

私もしっかりスマホに星達を収めてきたので、KAGAYAの写真と、それに寄り添う言葉をおすそ分けしちゃいます。

手の平に広がる、美しき星空の世界をお楽しみください。

天空の贈り物

四季の星空

撮り続けるのは、花は散り、雲は流れて消えてしまうから。
万物は流転してひと時もとどまることはありません。
少し寂しい気もしますが、私にとってはその変化こそが魅力なのです。
桜の季節が終わると、紫陽花、蛍、向日葵、紅葉、雪......。
一年が駆け抜けてゆき、再び桜の季節が巡ってきます。
再び巡ってきたその季節はかつて見たものと同じでしょうか。
いえ、そこには新しい出会いがあります。
だから追い続けるのです。
KAGAYA
棚田に咲く/高知県

まだ冬の星座が残る夕暮れ、山里で出会った一本桜は月にやさしく照らされていました。
夏の名残の天の川/岐阜県

夏の思い出、天の川の音色。
砂丘と秋の天の川/鳥取県

月光に照らされる鳥取砂丘。
吹き渡る夜風の向こうにカシオペヤ。
シリウスのツリー/北海道

ただ一面の雪と星空が広がる世界。
その時いただにに輝いたのは、全天で最も明るく輝くシリウスでした。

月のある空

夕暮れ空に三日月を見つけ、ハッとしていいものを見たと小さな幸せを感じたことはありませんか。
私はこれを天空の贈り物とよんでいます。
まだ明るい夕暮れの空に細い月を探したり、大きな満月が昇ってくるのを待ったり。
日ごとに見える時間も形も変わる月を追うのは楽しいものです。
私は月を見つけると、その表情にまるで見守られてるような、その輝きに勇気づけられているような気になることがあります。
KAGAYA
天空への招待/北海道

空に溶けてしまいそうな真っ白な大地に、一匹のキツネが現れ、夜の天空散歩へ誘ってくれているようでした。
中秋の名月/東京都

思いを抱いて見上げたあの日の空が、深い思い出の光景となって心をささえてくれることもあります。
東京、夏の夜。/東京都

街を彩る立侍月と花火。
富士から昇る天空の宝石たち/山梨県

富士山頂から昇る二十六夜月、その月の右上の明るい星は金星、左上には緑色の小さな彗星(カタリナ彗星)も写っています。天空と山と、一期一会の光景。

天の川を追う星の旅

夜空は宇宙を見渡す窓。
その窓からの景色である星空は、北へ南へと旅すると少しずつ変化します。
しかし、地球上どこまでも天の川は続いていて、夜空に見えていました。
それは、この地球が天の川に包まれているからなのです。
KAGAYA
銀河のともし火/東京都、三宅島

満点の星空の下、旅の安全を守る灯台。長い旅路もどうか、道に迷わないよう。
幻の銀河橋/北海道

湖の水が引き、姿を見せたその橋は、まるで銀河の果てまで続いているようでした。
小笠原の夜/東京都、小笠原

天の川と木星の輝きが水面に移り、天空に続く道のように私の足元まで伸びていました。
湖に映る天の川/アメリカ、ワイオミング州

天の川は、私たちが住む銀河という円盤状の星の大集団を内側から眺めた姿です。ちょうどこの写真の正面に、その銀河の中心があり、特に明るく写っています。この夜は無風で鏡のようになった湖にも天の川が映って、まるで銀河の中に浮かんでいるような気分になりました。

オーロラ

オーロラは空の現象の中でもたいへん幻想的で予想がつかないものです。
まるで命が宿っているかのような動きを見ていると、壮大な宇宙に語りかけられ、その詩を聞いているような気になることもあります。
何十夜とオーロラを見てきましたが、見るたびに新しい発見があり、まだまだ見たこともないオーロラがあり、将来どのようなオーロラに出会えるのか楽しみにしています。
KAGAYA
極北の空を染めて/アラスカ、北極圏

オーロラが乱舞した一夜の終わり、夜明け前のほんのひととき、薄いピンク色のオーロラ(共鳴散乱のオーロラ)が現れました。
天と地の交響曲/アイスランド

氷河が削った自然の彫刻のような山とオーロラです。
薄明の空いっぱいに/アイスランド

夜明け、空が青く染まる時間になって、にわかに満天に広がったオーロラ。夜の終わりの夢のような時間。
オリオンとオーロラの夜明け/アイスランド

妖精の国アイスランドで見つけた妖精の遊び場のような場所。夜明けのオーロラとオリオンがそのプールの中で光っていました。

一瞬の宇宙

すべての天体は軌道を描いて動いて、二度と同じ配列に戻るはありません。
空を見上げるだけで、私たちは一瞬の宇宙の目撃者になれるのです。
KAGAYA
長岡の三日月/新潟県

遠い人に、静かな眠りを。
夏の夜空の曲がり角/東京都、御蔵島

夏の大三角と天の川、カーブミラーに移ったカシオペア。そこに明るい流星が飛び込みました。
神磯の月/茨城県

夜明け前、月が天の川とともに東天に昇ると、それまで荒々しかった波がにわかに静まり、鳥居に向かって光の道ができました。
小惑星探査機はやぶさの帰還/オーストラリア

月もない満点の星空の一角に、時間通り光点が現れました。その輝きはたちまち明るくなり、幾度か爆発して満月のように地上を照らしました。粉々になった無数の火球の一つ一つがグリーンやオレンジにきらめき、南十字の下で天の川を渡ると赤い筋となって燃え尽き、消えていきました。7年間、60億キロを旅した小惑星探査機はやぶさの帰還です。

TOMOMO's SELECTION

星空写真家、プラネタリウム映像クリエイターとして人気のKAGAYA氏だが、彼の撮る風景写真や、星がまだ出ていない昼間の空もとても好きだった。

もちろんそこに、間違いなく空は存在するのだが、空にフォーカスするというよりは、景色の海や山と融合した構図になっている。

素敵な作品が多すぎて悩んだが、この壮大な4枚を私のお気に入りとしてご紹介する。

アイスランドの夕日/アイスランド

水滴の一つ一つが黄金に輝いていました。切り立った崖に滝が多く見られるアイスランド。この滝は流れ落ちる水を裏から見ることができました。
小さな楽園/チューク諸島、ジープ島

ミクロネシアの珊瑚礁に浮かぶ、ジープ島。夕凪の海が鏡のように天空を写しています。
宝石の浜/アイスランド

厳落した氷河の氷は湖から海へと流れ、海岸に打ち寄せられていました。どれ一つ同じものがない自然がつくりだした造形美。水の惑星、地球ならではの光景。
パタゴニアの残照/パタゴニア、ベオエ湖

高緯度地方の長い夕暮れ。残照に染まる山の向こうに待ちきれない星々が輝き始めます。

コンテンツ盛りだくさん

地球と宇宙を学ぶ"が隠れテーマというだけあって、美しい星空を体感しながら、子どもから大人まで自然に地球や宇宙を学ぶことができる展示構成となっている。

星の明るさや、空の色の移り変わりなどについて、丁寧に解説されており、この知識を携えたうえで写真を見ると、綺麗だけでなく、面白みも加わる

大人も一緒に楽しめるし(むしろ大人が夢中になっちゃうパターンだと思う)、子どもの自由研究なんかに最高だと思う。

星が写る写真の横には、星座の位置を示す解説付きのパネルが添えられている。

写真だけでなく、フォトスポットや映像上映もあり、飽きさせない工夫が随所にされている。

KAGAYAが使用している撮影機材。
ベンチに座って写真が撮れるフォトスポット。

約1万枚もの写真から創りあげた星空映像も上映。

まるでプラネタリウムを見ているかのような感覚。
描いたってどういうこと?!
これ描いたの?!ちょっと何言ってるか分からないw

写真好きの人にはたまらないであろう、撮影現場の映像や写真の撮り方に関するパネルも。

KAGAYAがロケ地を巡ったり、水中撮影する様子が動画で見られる。

色んな空の撮り方まで教えてくれる手厚いサービスっぷり。カメラを買って、天体観測に行きたくなる。

天体観測したくなっちゃうね。
同じ満月でも構図を変えたり、一緒に撮影する対象物が異なるだけで全然違った雰囲気になる。
スマホや普通のデジカメでは撮れたらいいのに。
時間帯別に見られる現象まで教えてくれる。
天の川って夏前がチャンスなのか。
使用するレンズを変えると、虹のさまざまな表情が見られる。
望遠鏡はさすがに買えない...
写真は肉眼以上の世界を魅せてくれる。
天の川の見やすいスポットを地図付きで。
写真もさることながら、KAGAYAさんの言葉選びも素敵よね。

KAGAYAワールドを体感できる作品展

涼しい室内で、神秘的な音楽を聞きながら、見る星々はとにかく癒しだった。

スマホで写真を撮りながら、解説を読み、実物の写真をじっくり見て、なんてやってると2時間半〜3時間は楽しめると思う。

私含め、現代人はつい写真を撮ることに必死になってしまうけど、目の前の美しい作品と対峙する時間をちゃんと大切にしたいものだ。

ここには載せきれなかった素敵な作品たちが会場にはたくさんあるので、写真で満足せず、お近くにお住まいの人は、ぜひ足を運んで美しい星空を堪能してほしい

KAGAYA『星空の世界展』は8月31日(水)まで!
(レポが会期終了間際になってしまってごめんなさい)

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