見出し画像

家出中の妻が鬱と診断されたらしい

正直、聞いたときは「やっぱりね」と思った。
そうでなければ、今の嫁の状態は何だというのだろう。

妻は現在、家出をしていて、友達の家に居候している。
一日に何通かLINEでやりとりをしているが、しきりに体調不良を訴えていたし、妻の精神的な状態が悪いことは分かっていた。

治療をどうするかは真っ先に気になったので、聞いてみた。診察は薬をもらっただけのようで、次の診察はいつ、という話をしていないらしい。

少し、疑問を感じた。

病状が深刻で継続的な治療が必要であれば、医者は次回の診察の話やフォローアップをするはずだ。

それがない・・・ということは病状はそんなに深刻じゃないんだろうか。

それとも、休職の手続き等で診断書をもらう必要ない主婦は、再診を受ける必要性がないということだろうか。

実は過去に僕は休職をしたことがある。その時は自律神経失調症の診断書をもらった。診断書に書かれた静養する期間が近づく頃に再診の期間が指定された。その時の医者からは、なんとなく診察というよりも必要な書類をもらうための事務手続き、といった印象を受けた。

なんにせよ、今の自分にできることは、悲しいことにない。ただ、不安を感じつつも離れた場所で妻の回復を祈るばかりだ。


単身赴任者が夫婦仲が悪い理由

話が変わって僕の会社での話。

僕の会社は単身赴任をしている人が多く、その中には笑いとため息混じりに「家に帰りたくないんだよな」という人が少なからずいらっしゃる。

「どうして?せっかく建てた家じゃないですか?」というと、「嫁と二人きりで過ごすと思うとゾッとする」とおっしゃられる。

しまいには「嫁と話しをしようとしても話にならない」と。
家に帰りたがらない単身赴任者は、共通して「男と女って話し合っても分かり合えないよね」という価値観を持っているように見える。

女、という存在を一括りにして、話しても分かり会えない、”非合理的”な存在として捉えている気がするのだ。

そして、僕の中にもそういった価値観が醸成されかけている気がする。
なんだか、妻と話しても分かり合えないんじゃないか、という考えが頭をよぎるのだ。

小学校のころの不気味な体験

また話が変わって、僕が小学校の高学年だった頃。

今思えば、アスペルガー症候群だったんじゃないかな?という男の子の友人がいた。

歴史に興味があるらしく、戦争関係の本ばかり読んでいて妙に詳しかった。

授業中、先生が真面目な話をしている時に空気を読まずに関係ないおしゃべりを始めたりした。

彼は時折喧嘩っ早い一面もあり、誰かが彼のしていることに干渉したり、邪魔をすると、怒りを露わにすることがあった。

でも、彼の話は面白く、学校の日も休みの日もよく一緒に遊んでいた。

そんな彼だが、ある日、女の子と喧嘩をして、手をあげたことがあった。

「女の子に手をあげた」という事実に一様にクラスメイトは彼を責めた。そして、なぜ、手をあげてしまったのか、と理由を聞くものは1人もいなかった。

女子に手をあげるのは一発アウトで弁解は許されないらしい。

「え、なんで・・・?」と思い、友人をかばってあげるべきか迷った。が、とてもかばえる雰囲気じゃなかった。普段はそんなに怒らないようなクラスメイトですら、彼に対して怒りを露わにしていた。

でも、2、3年前までは男子は普通に女子と喧嘩はしていたはずだ。誰に教えられたわけでもなく、女子に手をあげることがタブーだと、いつの間にか皆が当たり前のこととして受け入れていたことが、少し不気味だった。そして、理不尽だと思った。

確かに友人はしょうもない理由で友達を殴ったりしていた。普段の行動からしても弁解の余地はなく、同情を買うのは難しいと思う。

ハラハラして一部始終を見届けていたものの、彼が謝ることで事態は終息した。

クラスメイトが知らない間に共通の輪に閉じ込められてしまったかのように同じ考えを持っていて、自分だけが異質であるような、そんな感覚でした。

まとめ

我ながら妻が鬱と診断されたことと、単身赴任者のぼやきと、幼少の頃の思い出を連想するのは脈絡がように思われた。

なぜ、この3つのことを考えたのか、自分でも分からなかった。

ただ、これらのことから得られる教訓があるとしたら、人々が共通の認識や先入観に縛られて、本当の意味でお互いを理解し合うことが難しいことが、ありふれた人間関係で起こっているということだ。

それぞれの状況や背景を考慮せずに、ただ単に相手を一方的に決めつけて善悪を断じてしまうのは、人間関係に深い亀裂を生む。

この教訓を今後の人間関係や日常生活に活かしていきたいと思う。そして、妻が抱える鬱症状を理解し、支えることができるよう、成長し続けたい。

この記事が参加している募集

夏の思い出

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?