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今回は「春の日」のような優しい温かさを感じさせてくれる本の紹介をさせていただきます。

『がん患者のこころをささえる言葉』清水研著
  ―2022年12月 KADOKAWAより発行―

 著者の清水研先生は、腫瘍精神科医という、がん専門の精神科医で、4,000人以上のがん患者およびその家族との対話経験を持っておられます。そして現在は、がん研究会有明病院の腫瘍精神科部長でいらっしゃいます。
 多くの方が、ご自身またはご家族が「がん」に罹患されると、さまざまな不安感に包まれてしまうことと思います。そんなときに、専門の医師のカウンセリングを受けることができたらとてもありがたいですよね。 “腫瘍精神科医という、がんの方とご家族を対象にした精神科医がいらっしゃるの?知らなかった!“という方も多いかと思いますが、最近は、がんの専門病院を中心に、徐々に増えてきているようです。

 さて、清水先生は、今までにも『がんで不安なあなたに読んでほしい』(ビジネス社)、『絶望をどう生きるか』(幻冬社)など多くの本を書いておられ、どの本も、とても優しい先生のお人柄を感じつつ、生き方を深く考えさせられる本ばかりです。

 先生の最新刊である『がん患者のこころをささえる言葉』は、「直接清水先生のカウンセリングを受けられない患者さんにも、先生の言葉を届けたい」というKADOKAWAの担当者の方からの提案により、生み出されたそうです。
 読んでみると、そのとおりに…見開き2ページで、右ページに、清水先生が直接語りかけてくださるような言葉があり、左ページにその解説が書かれています。
 どこから読んでも、励ましの言葉ばかりで、涙なくして読めないのですが…ひとつだけ引用させていただきますね。

―きちんと悲しむことで、こころの傷をいやすことができるのです。
つらいことがあったとき、泣けると気持ちが和らぎます。
無理に泣こうとしなくてもいいですが、泣くことができるのは、その人の強さです。―

こんな言葉を、つらくて押しつぶされそうな時にかけていただいたら、本当に誰でも泣けてきそうです。しかも、泣くことが弱さではなく、強さだと…。

 いま、つらい思いを抱えているあなたもぜひ、この本を手に取って読んでいただき、清水先生の優しく温かい言葉に直接包まれる体験をなさってみませんか。
もちろん、がん患者さんだけでなく、どなたのこころにも届くことでしょう。 

著者紹介

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