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お外に出してクレメンス



ビオトープ脇でニホンヤモリの幼体を発見する。
ここ10年の間にやたらと数が増えた。

自宅で初めてヤモリを見たのは10年以上前で、その時は本当に驚いた。
平安以降に定着した外来種とされてはいるが、何せ当時はレッドリストにて当県の危急種扱いとなっていたためだ。
レッドデータブックを見る限り、やはり当県各地で増加傾向にあるようで、現在は危急種からは外れている。


先日は見返り美人のようなヤモリもキッチンで観察した。


2023年現在は毎晩、自宅の全ての方角の窓に最低1、2匹は居着いているという生息状況だ。さらには数ヶ月一度のペースで屋内に迷い込んだ個体を外に逃している。
別宅や倉庫を含めると30匹ほどはいるのではないだろうか。



親戚が庭に設置している養蜂箱複数個の屋根にも1匹ずつ住み着いているため、庭や私有地の裏山全体を含めたら凄まじい数なのだと思う。

養蜂箱の屋根に潜むニホンヤモリ
養蜂箱側面に付着する
ニホンヤモリの糞

養蜂箱周辺のヤモリが有毒のミツバチを捕食する事は考え難く、蜂の巣を狙うメイガ等の害虫を主に捕食しているものと考えられる。
養蜂箱周辺から採集したヤモリにハナアブを与えた際は嗜好性が著しく低かったが、ハエ等との比較実験を行ったわけではないため、明確に忌避傾向があるとは断言し難い。



飼育している昆虫の多くはガレージにて管理しているが、ヤモリが自由に出入りできる環境なので、飼育している何らかの幼虫等を蓋無しで管理していると襲われる危険がある。
基本的には窓辺に迷い込んだ昆虫を捕食しているようではあるが、ミルワーム等の餌虫を管理している周辺にはやたらとヤモリの糞が多く、視認できる昆虫をプラケース越しに狙っている証拠だろう。ヤモリ生体の目撃例も365回以上はある。
彼らへの餌付けを防ぐための蓋は欠かせない。




2017年11月撮影
冬前に捕獲した自宅産ニホンヤモリ幼体

少しずつ数が増え始めた2017年頃には幼体を13匹も捕獲する事になった。
体力が少なく、冬を越せるか怪しい大きさの個体は一時的に保護しようとしていた気がする…が、完全に余計なお世話だっただろう。そんな事をしなくてもここまで数を増やしたのだから。

餌虫由来の微生物や細菌等の拡散も考えられるため、そもそも一度飼育した生物は逃がすべきではない。
この個体達の9割には一切餌を与える事なく、隠れ家も生息地に放置されていた農業資材を使用した上で春に逃したが、これもあまり推奨できない。(というより体温の下がる晩秋から冬季に餌を食べる事は少ない)
残りの1割には餌を与えて、終生飼育を行った。



お外に出してクレメンス

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