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「PYPとの出会い」

<教育デザイン研修0期の話>
2020年4月より地域おこし協力隊(任期3年)として沖永良部島に移住し、1年目は、教育委員会配属で地域の小学校で学習支援員として働きながら、地域の教育コーディネーターとして行政と学校現場と地域と協同しながら教育を通じた魅力ある地域コミュニティーづくりをミッションに活動を行ってきました。(現在は岐阜県のPYP認定校で小学4年生の担任をしながら、PYPのカリキュラムの作り方を働きながら学んでいます!)

そもそもの地域おこし協力隊として活動をすることができたご縁も、元地域おこし協力隊のきみちゃんに声をかけてもらったところから始まりました。「一緒に島で何かおもしろいことをしよう!」と声をかけてもらい、ふんわりとしたビジョンを共有し、半分直感で移住することを決意しました。自分自身何か決められたミッションをこなすことよりも、0から1を作り上げていくことに面白さを感じる人間なので、地域や学校や行政との関係性を0から作りながら、この土地だからこそできる教育的価値のある場を作れることにワクワクしていました。(とはいえ、この時の自分は島で何か結果を残さなければならないという謎の使命感を感じており、これが自分自身の視点を減らし、後に空回りを引き起こすことに繋がっていたかもしれないです。)

そして、地域協力隊としての最初のミッションはこちらでした。

南の島で遊ぶように学んで暮らすアトリエシェアハウスを拠点に、奄美の教育魅力化を!

奄美群島のひとつ、沖永良部島で1番小さな小学校の全校生徒は13人。このまま人口減少が続けば、地域から小学校がなくなってしまうかもしれない...そんな危機に瀕した地域の空き家を改修して島留学生親子を受け入れ、地域の教育コミュニティの拠点となる、遊ぶように学び暮らす“アトリエシェアハウス”をつくります!

クラウドファンディングの文章を引用(リンク

まだ、何も決まっていない中で、状況に応じてしなやかに地域の方や行政の方と1つ1つコミュニケーションを重ねながら事業をデザインしていく姿は僕自身にとってもロールモデルの姿でした。そして、この沖永良部島で子どもたちの居場所となる拠点を作っていくにあたり、自分たちだけでなく、沖永良部島をモデルに「これからの時代の新しい教育のカタチを考える教育デザイン研修」をスタートすることにしました。

この時の研修の軸になっていたのが「PYPのカリキュラムの作り方を共に探究し、アウトプットとしてPYPの作り方を参考に地域の子どもたちをターゲットに探究プログラムを企画し実行する」ことでした。

研修資料

私自身国際バカロレアについては学んだことはなく、この研修を設計する中で直感的に「国際バカロレアのPYPのカリキュラムのつくりかた」を軸に作っていきたいと感じたのを覚えています。今思えば、この時の私はフィンランドで安心して学べるインクルーシブな教育環境のデザインについては感覚的に学んでいたものの、実際に子どもたちが「幸せな自立」を育めるような探究的な教育環境をデザインするスキルを持っていないことに気づいていたのかもしれないです。

そして、この研修の肝になったのは「セントラルアイデア」の存在でした。

研修資料

PYP認定校で働き始めた今でもセントラルアイデアの取り扱い方には悩んでいるところですが、このセントラルアイデアというものを最初に考えることが「体験を探究に」する重要な考え方であることを共に研修生と学び合う中で感じ始めていました。今までは「教えなければならないこと(知識やスキルベースの2次元のカリキュラム)」を最初に考えていたのですが、この研修を通して「子どもたちがプログラム後にどのような気づきや理解を得られるのか(概念ベースの3次元のカリキュラム)」を考えるようになりました。

半年間の研修でしたが、IBについては結局は分からなさがモヤモヤと募るまま半年が過ぎ、何か良い引っ掛かりが残る研修となりました。そして次の研修も、IBの考え方をベースに「セントラルアイデアを作り上げ、そこからエコツアープログラムを開発する」研修へとつながっていきました。

この研修を終えたのは2021年の3月。地域おこし協力隊としての任期も1/3を終えました。2021年の4月からは沖永良部島で初の島留学生を受け入れ、クラウドファンディングで集めた資金を活用し、地域の空き家がアトリエシェアハウスに生まれ変わり、いよいよ沖永良部島での新たな一歩を踏み出すきっかけとなる1年になりました。

南海日日新聞掲載

私たちの沖永良部島での活動は、この教育デザイン研修と共に成長していきました。次回は第1回教育デザイン研修(2021年5月〜8月)の学びとこの頃島で活動する中でどんな葛藤を感じながらどんな学びがあったのかをまとめていけたらと思います。

いつも読んで頂きありがとうございます。

▼ 参考リンク
e.labとは?(リンク
えらぶゆりの島留学とは?(リンク


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