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季節到来!山菜の王様、タラの芽

 春から初夏にかけては、山菜がおいしい季節です。山菜の中でもてんぷらにしたら絶品のタラの芽。今日はタラの芽のお話です。

 タラの芽はウコギ科のタラノキの新芽の事で、この新芽の部分を山菜として食用とします。ほのかな苦みや、もっちりした食感が春を伝える食材として人気があり、山菜の王様と言われています。
 タラの木は全国の山野に自生していますが、栽培も進んでいます。かつてはほんの一時、旬の時だけ味わえる貴重な食材でしたが、今では栽培物が早い時期から長い期間スーパーの棚に並ぶようになりました。とはいえ、天然もののタラの芽はこの季節ならではの貴重なものです。自生のタラの芽を採りに山に行かれる方も多いことでしょう。

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 山に自生しているタラの木は白っぽく、幹や枝の表面に鋭い棘が沢山あり、男ダラ(オダラ/オンタラ)と呼ばれています。山菜採りの時にはこの棘がウルシとの見極めに有効です。また、この棘が少ない女ダラ(メダラ)という種類もあります。栽培されるものは、主に女ダラが用いられています。タラの芽も男ダラには棘があり、ハウスで栽培されている黄緑色の綺麗な肌をした女ダラとは一見して違いが分かります。

 タラの芽は山形をはじめ徳島や富山、島根など各地でハウスでの水耕栽培が行われています。地方によって方法は若干違いがあるようですが、タラノキの原木を前年の秋から初冬にかけて伐採しておき、タラノ芽の出る所に合わせてカットしたものを水を張ったところにびっしりと並べビニールシートで覆い、芽が出たところを収穫します。ハウス栽培物は、料亭などの需要に応えるため、かなり早い時期から出荷が始まります。早い物で12月頃から出荷され出荷のピークは2月下旬から3月ごろになります。天然物は、地域にもよりますが、旬は4月から6月上旬位までです。桜の咲く頃が丁度タラの芽が出る頃と同じだと言われています。

 タラの芽の選び方ですが、タラの芽は伸び過ぎると苦みやエグミが強くなります。かといって小さすぎても風味が弱く食べるところが少ないです。芽のつぼみ状のところが開いて3~5cm位芽が伸びたくらいの物がアクが少なく食べやすいでしょう。もう少し大きくなって、葉が少し開きかけてきた位のほうがタラの芽の風味がしっかりと感じられて美味しいと感じられます。苦味の苦手な方は、つぼみ状のものがいいでしょう。

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 スーパーなどで販売されているのは、ほとんどが栽培物です。天然物よりも栽培物の方が苦味やクセが穏やかですが、その分風味も弱くなっています。タラの芽本来の香りを楽しみたいのであればやはり天然物がいいでしょう。天然物は芽の部分を採った後、切り口から透明なゼリー状の樹液が出てくることがよくあります。また、栽培物は女ダラが使われているのに対し、天然物の多くは棘がある男ダラで、こちらの方が風味が強く野趣にあふれています。

 タラの芽はあまり日持ちするものではありません。香りが大切な食材なので、新鮮なうちになるべく早く食べるようにしましょう。どうしてもという場合は、乾燥しないように新聞紙などに包み、穴をあけたポリ袋などに入れて野菜庫に入れておき2~3日で食べきりましょう。長期間保存したい場合は冷凍します。その場合は、薄めの塩を加えて沸騰させている湯の中で1分半程度固めに茹で、氷水に落としてしばらくそのまま水にさらしてアクを抜いた後、よく水気を切って小分けしてアルミやステンレスのバットに広げ一気に冷凍します。凍ったものを小分けしてラップなどで包み、保存袋に入れて冷凍しておきます。更に長期間保存する場合は塩漬けにします。

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 調理方法は、付け根のハカマを取って使います。アクがあるので、一般的には天ぷらにされる事が多いですが、アクを抜いて色々な料理に使う事も出来ます。独特の香りがあり、これが季節を感じさせてくれます。

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