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#164 【映画】目標が仲間との絆を強くする!/『タイタンズを忘れない』(2000年)

「なんか熱くて、涙する映画を観たいな〜」
って気分のときに観ている実話をもとに描かれた映画『タイタンズを忘れない』について語ります。

小学校の国語 or 道徳の授業で見た作品です!
なぜその映画を先生が選んだのかは覚えていないです。
授業中に見終わることができなかったことを大学生くらいのときにふと思い出しました。
その後、レンタルビデオ店で借りて観るたびに涙を流してしまう作品です。

フットボールを通じて、本当の意味で人種差別をなくすために地域住民を巻き込みながら成長していくヒューマンドラマです。

●あらすじ

法律上では人種差別が撤廃されたものの、人々の心には人種差別が根深く残っていた1970年代のアメリカ・ヴァージニア州が舞台。
法律改正する前には、白人と黒人で入部できるチームも分けられていましたが、その法律改正によって混成チームをつくることになりました。

現代でさえ、肌の色による人種差別が根深く残っている国や地域もありますが、1970年代の法改正直後のアメリカ・ヴァージニア州の高校フットボールチームは「肌の色が違う」というのは大きな差を生み出し、互いを否定しあっていました。

チーム内の学生同士はもちろん、保護者や地域住民からも賛否の声が上がっていて崩壊寸前のチーム。
しかし、周囲の大部分の大人よりもはやく変化したのは、フットボールの合宿や練習、試合を経て、お互いのことを理解しはじめたチームメンバーでした。
互いのことを理解し、互いに尊敬することができるようになったのは共通の目的意識があったからこそです。

『フットボールの大会で優勝する』

チームメンバー全員がそれを実践したわけではありません。
すべての保護者や地域住民の理解を得られたわけでもありません。
しかし、その大きな目的と目標をチームで共有することができたときに、チーム一丸となって大きな力を発揮しはじめました。

●チーム躍進のキーマンは、デンゼル・ワシントン

チームメイトをふるいにかけて、心身ともに成長を促したのがコーチとしてチームに参加したハーマン・ブーンです。

「勝つこと」と「人種差別すること」どちらを優先したいのか問います。
そして、「勝つこと」を優先した選手とともにチームの勝利と成長を進めていきます!

チームとしての技術やフィジカル的な成長はもちろん、対戦相手や保護者、地域住民からの批判に晒される度にメンタル的なタフネスを奮起していきます。
そんな逆風の中で挑戦して成長したチームだからこそ、めちゃくちゃ本番にも強い!連戦連勝!

人種差別や互いを批判してしまう根幹にあったのは、
お互いに対する理解不足であり、未知のものに対する恐怖と不安でした。
控えめに言って、やや強引な方法でお互いのことを理解するきっかけを作っていったのがデンゼル・ワシントンが演じた黒人コーチのハーマン。

「お互いわかり合えなければ私たちもここで終わりだ」とゲティスバーグの戦争跡地でチームメンバーに問いかけます。それから徐々に変化していくタイタンズ。

合宿で心身ともにチーム一丸となったタイタンズのメンバーでしたが、合宿を終えて日常生活に戻ると、街に人種差別に巻き込まれていきます。
人種差別が当たり前の環境下で、再び崩壊しかけたチームを立て直したのは、チームの中心にいたゲーリーやジュリアスでした。
その2人のリーダーが率先して行動していくことで、チームの結束がさらに強固なものになり、合宿で鍛えたフィジカルとスキルを発揮していくタイタンズは連勝していきます。

自分の身の保証や地位ではなく、チームの勝利を選んだ監督とコーチ
周囲の目や批判の声ではなく、チームの勝利を望んだ選手たち

その行動と信念が周囲を巻き込んで、多くの変化を与えていくストーリーが最高におもしろいです。
しかし、優勝を目前にした決勝戦前夜に起きた事件が、、、、、、、、


脚本上、すべてが事実というものではなく、演出や表現が異なる部分もあるようですが、そんなこと関係ないくらい目頭が熱くなる作品です。

●デンゼル・ワシントンの存在感

知的、冷静沈着、寡黙、重要そうな役柄を演じることが多いデンゼル・ワシントン。
個人的に、この人が映画に登場すると、「絶対にこの人がキーマンだ」と思わせてくれる俳優です。
しかし、そこにも黒人俳優としての試練や苦労があったそうです。

1980年代の映画俳優の業界でも黒人差別が残っており、黒人ということだけで「悪党」や「コメディアン」的な配役されることがあったそうです。
そんな時代の中でしたが、デンゼル・ワシントンは「黒人がする役」は断っていたそうです。
それは、映画俳優としての大先輩であり、師匠と慕っていたシドニー・ポワチエさんの言葉を信じていたからだそうです。

デンゼル・ワシントンのそうした選択と実績、功績、演技力があったことで、「絶対にこの人がキーマンだ」と物語序盤から感じさせるような存在になっていたのだと思います。

ハリウッドにも根付いていた差別的な配役文化を覆して、ハリウッドの伝統にも影響を与えてきた俳優のひとりなのかもしれません。
そんな時代の節目を創った俳優さんが、まさに差別を覆すために行動し続けた人を演じていたのだと思うと胸アツです。

●さいごに

書き続けると止まらなくなりそうです。
そして、もう一度作品を観たくなってきたので見直したいと思います。

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