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#52 下世話ネタから激アツ〝自公対立〟これを知れば選挙が面白い

今回は選挙です。こういう視点、こういう面白い話が全国各地に転がっているんだよ、そんな話をしたいと思います。この情報をもとに、参議院選挙の結果を見ていくと、あの人それでも当選したんだとかやっぱりそれは落ちるよね、そんな形で見ることができるうえに、なんであの人が比例復活するんだよ、などそういった疑問だとか自分なりの意見、考えが出てくると思います。

まずは、下世話な話なんですけれども。ワイドショー的な話です。長野選挙区、こちらは6人が1議席を狙って戦っています。ただ、事実上の一騎打ちとされていて現職の元TBSニュースキャスター杉尾秀哉さん、そしてラジオパーソナリティの松山三四六さん、この人は自民党ですね。杉尾さんは立民です。この2人の一騎打ちとみられているんですけれども、松山さんには、文春砲が炸裂しました。

知人の女性と不倫をして人工妊娠中絶の同意書に偽名で署名したという疑惑です。松山さんはこれに対して選挙が終わったら、きちんと説明するとしたんですね。これに対してもツッコミがたくさんあって、いや、むしろ選挙期間中にこそ、自身の疑惑やそういった疑念に対してきちんと説明すべきだろうという意見がでています。これはごもっともですよね。

なので、例えば長野選挙区、それでもこの人は勝つのだろうか。文春砲ってどこまで影響してくるのだろうか。そんな目線で見ることができます。

ただ現職の杉尾さん、テレビでもご覧なっていた方々が多いと思います。僕も子供の頃ね、TBSの「ニュースの森」毎日見てました。なので、いずれにしても有利なのかなとは思いますが、ワイドショー的ですけれどもそういった情報が頭の中にあったら、それを踏まえてテレビを見ていると、どうなったんだろう、と思えるのではないでしょうか。

全国唯一の「自公対立」選挙区での強気

ただ、本当に話をしたかったのは、この話ではなくて、岡山選挙区です。

この岡山選挙区は自民党と公明党の自公連携が破綻している選挙区なんです。

なぜこういうことになったかといいますと、こちらの選挙区には自民党で現職の小野田紀美さんという女性の方がいらっしゃいます。公明党の候補者はありません。

本来ならこういう場合では、公明党の支援者の人たちは自民党を応援する、自公の携体制がとられるのですが、ここだけは全国で唯一、この自民党候補の小野田さんが公明党の推薦を事実上拒んでるんですね。

今年の初め、小野田さんはツイッターで「政党が違うのですから選挙は自由にやるのが自然ですよね。公明党さんの推薦見送り検討、共感します。お互いそれぞれ頑張りましょうってやつですね」と、公然と「推薦いらないよ」と表明したわけです。

当然、公明党は反発しますね。なので、ここだけはうまく調整が整わなかった選挙区なんです。では、何でそもそも小野田さんがこういうコメントをしたのか。自公は、連立政権を組んでいます。公明党だって通したい政策、いろいろあります。それに対して、自民党があんまり乗り気じゃなさそうだった場合、揺さぶりをかけてくるわけです。

すると、選挙がある年、当然自民党はどの選挙区においても、公明党の支持母体は創価学会ですけれども、この人たちの応援が欲しいんです。いわゆる票ですね。それをわかった上で、公明党としては「もう自民党の候補者推薦見送りとか検討しちゃうよ」みたいな形で揺さぶりをかけてくるわけです。それで「そこまで態度を固くしなくてもいいじゃない」っていうことで話し合いが進められていき、そのまま法案、政策が通っていく、もしくはそれに近しいものになっていく。そういった擦り合わせみたいなものが行われていくんですね。

そういう揺さぶりをかけられているとき、小野田さんは元々はっきりと物事を、意見を言う人なので、あと保守的な考え方でもあるといわれています。

なので、こういったツイートに繋がった。そんな揺さぶりかけてくるぐらいだったら、別に要りません。私は私の力で頑張ります。お互い政党が違うんだからそれぞれ頑張りましょう、と、いわば啖呵を切った形になったんですね。

創価学会票激減で結果はどうなるのか

なぜそれが今、この選挙において、面白いことになっているのかと言いますと、票数なんです。

小野田さんは前回の選挙でおよそ44万票の票数を得て勝ちました。2位の人、次点との差は10万票を超える差だったんですね。しかし、岡山の公明票はまさに同じ10万票前後あるんじゃないかとされているんです。

今、公明党、どうしてるかといいますと、一部ではこの岡山選挙区においては、小野田さんの対立候補を応援するような状態になっているんです。

すなわち、岡山にあるとされる公明票が全部対立候補に流れてしまった場合小野田さんの得票数はどうなってくるのか…そういう見方ができてくるわけです(記事最後に結果あり)。

こういった見方で見るとですね、だいぶ選挙結果の見方って変わってくると思うんですよね。なので、選挙と聞くと、自分の住んでる地域以外の選挙区なんてまったくもって関心がない人すごく多いと思うんです。直接影響ありませんし。ましてや、参議院選挙です。僕は政治部2年間いて、与党の責任者ってましたけれども、参議院ともなるとやっぱり知らない人たくさんいるんですよ。申し訳ないんですけれども。顔と名前が全く一致しなかったり、そもそも名前を聞いたことがなかったり。政治部記者ですら、こういう感じですので、多くの皆さんの場合、もっと関心がないと思うんですよね。

ただ、こういういろんな裏話、情報を踏まえて見れば、選挙も楽しくなってくるんじゃないかと。

あらかじめお伝えしておくべきでしたが私のこの記事は、特定の政党や候補者を支援支持応援するものではございません。

フラットな目線、あくまでも流れている情報、事実関係だけを整理してお伝えしております。

(2022年・参院選結果)

  • 長野選挙区

  • 1位・当選 杉尾秀哉 433,154票

  • 2位・落選 松山三四六 376,028票

  • 岡山選挙区

  • 1位・当選 小野田紀美 392,553票

  • 2位・落選 黒田晋 211,419票

  • ※前回選挙の小野田氏の得票数は437,347票

(voicy 2022年7月10日配信)

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