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私と大阪とコブクロと

大阪駅から乗ったサンダーバードの中で、久しぶりにコブクロの曲を聴いている。私にとって大阪から地元に帰るときのエモソングはコブクロなのだ。

小学生の頃、初めて大阪に家族旅行で来た日、帰りの車でコブクロのアルバムを聴いていた。その日は、父親の用事で心斎橋の国際楽器社に行ったような気がする。他にはどこに行ったんだっけ。地下鉄のホームではぐれて焦ったような記憶はあるけど、どこに行ったかは覚えていない。

大阪からの帰り道は日が暮れていて、高速道路沿いのラブホテルのネオンがキラキラしていた。小学生だった私は、車の窓から初めてのネオンを見ながら、コブクロの「蕾」や「永遠にともに」「桜」などを聴いていた。その日がきっかけとなって、夜の大阪のネオンを見るとコブクロの曲を思い出す。

高校を卒業した私は、大学進学を機に大阪に4年暮らした。そして大学卒業後は大阪を離れたものの、ときどき遊びにきたり旅の道中で立ち寄ったりすることはあった。だから、大阪での記憶は新しいものに上書きされているはずなのだが、大阪からの帰り道では未だにコブクロを思い出す。


サンダーバードの中で聴く久しぶりのコブクロは、小学校の頃の記憶を呼び起こし、子どもの頃の私と大人になった私がどこかで繋がったような、不思議な気持ちになった。

当時コブクロを一緒に聴いていた妹にLINEでメッセージを送ると、「なつかしいね、蕾とか聴いてたね」と返事がきた。もう大阪に家族旅行で来ることはないのだろうと思うと、どこか寂しい気持ちになるけど、これからもまた両親やそれ以外の人たちと新しい思い出を作っていこうという気持ちになった。

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