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星野リゾートの教科書~サービスと利益 両立の法則~

 満足度:★★★★☆

 この本の中で冒頭に書かれていること「教科書の内容はつまみ食いせずに、教科書の通りにやってみよう!」であるが、そんな本の中で気になったことや、この先さらに学び・深めたいことを抜粋した。最後に引用として記す。

 日本のリゾートホテルと言えば「星野リゾート」と名前が出てくるくらい、知名度を上げた星野リゾートとの最初の出会いは地元山梨県・小淵沢にあるリゾナーレだ。その時から存在は知っていたものの、このような会社だということは全く当初は知らなかった。

 その星野リゾートがどのようにここまでの地位を確立したのか。その経営課題を解決する手段は徹底された「教科書の通りにやってみる」ということにある。最近破天荒フェニックスで有名になったオンデーズの田中修二社長も先日の新聞の取材で「成功はアート、失敗はサイエンス」と答えている記事を目にした。

 これもまさに、これまでの企業の様々なデータを分析し、書かれたビジネスの教科書から、自社の課題にマッチする教科書を見つけそれを徹底的に実行する必要性が書かれている。

 この本を読みながら考えた事は、自分たちの社会における立ち位置はどこなのか?はたまた、どこを目指しているのか?自社の課題は何か?その解決策は何なのか?そんな根本的な会社や私たちのサービスについて問われた時に、どれだけ的確に、そしてシンプルに答えられるだろう。という私自身へ対する問いであった。

 また「顧客満足度を向上」のために、どれだけ正確な情報やデータが手に入っているのだろうか。これまでやってきたこと、日本から教わったことをただシンガポールで実行している形になってはいないか?そんな、サービスを創出するうえでの原点を再度考えるキッカケを与えてくれた。


引用:
P-34
 「それまでの経営書はお客様視点に立ったマーケティングを強調するものが多かった。そんな中で、ライバルの動向こそが重要というポーターの理論は目からうろこで、強く印象に残った」

 ポーターは、ライバルとの競争環境を踏まえながら戦略を組み立て、徹底する意義を強調する。そして、企業がライバルとの競争で取るべき戦略を3つに分けて論じている。コスト競争で優位に立つ「コストリーダーシップ」、競争相手との違いを前面に出す「差別化」、特定の領域に自社の経営資源を集めてライバルに勝つ「集中」、の3つのである。ポーターはこの中から戦略を選んで、徹底するべきだと主張する。

P-48
 コトラーの競争地位別戦略論では、市場での企業の地位は4つに分かれる。リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーである。そして、それぞれの地位に応じて打つべき戦略の定石があるのだというのだ。
 リーダーとは市場でトップシェアを持つ会社である。チャレンジャーは市場シェア2番手の会社で、シェアを拡大する為にはリーダーを攻撃する。フォロワーも市場シェア2番手だが、市場に波風を立てずにリーダーを追走する。ニッチャーは大きな市場でフォロワーになるのではなく、小さな市場でトップに立つことを目指す。
 
 ニッチャー戦略で成功するための鍵を握るのは、市場と戦略の選び方である。コトラーが挙げている例としては、製品を顧客ごとにカスタマイズする「注文製品専門化」、最高品質にこだわる「品質・価格専門化」、1つの流通チャンネルのみに集中する「チャンネル専門化」などがある。

P-101
サービスの100%保証システム
○サービスを提供する社員は、このシステムによって自分のサービスに対して責任感を持つ。
○既にサービス内容に定評がある場合、このサービス保証システムは不要である。
○保証制度を悪用するお客様がいたとしても、その不正が与える損害は、保証システムによる利益に比べると、ずっと小さい。

P-111
ミス情報を収集して運営システムを見直す
ミスをなくすには、なるべく多くのミス事例を分析し、運営システムを見直すことによって、同じミスが起きない仕組みに変えていく必要がある。だからミスを隠さずに公開してもらうことが大切だ。そこでミス撲滅委員会は3つのルールを定めた。
①ミスを報告する人は「実際にミスを起こした人」「他の人が起こしたミスについて知っている人」のどちらでもよい
②ミスした人を絶対に叱らない
③ミスを報告してくれたことについてしっかりと褒める

P-120
One to One マーケティング
サービス水準が高くなる中で、セグメント・マーケティングの限界が浮上した。「このやり方では、お客様1人ひとりのニーズはわからない。これはお客様からすれば、『自分のニーズに近いがピッタリではない商品』を買っていることになる。もう一歩、進化させることができないか」。星野社長は理想と現実のギャップを埋めてたいと考えた。

Tom

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