見出し画像

アーティストTOSHIAKI TASHIRO 田代敏朗のクラウドファンディングが開催中

画家・田代敏朗について

山梨に拠点を構えていた現代美術画家、田代敏朗(たしろとしあき)さんが作品集を作るためのクラウドファンディングをクラウドファンディングサイトCAMPFIREで行っている。田代さんは今は長野・富士見町にアトリエ「NEPHEWS」を構え、東京との2拠点で制作を行っているが、以前僕が取材・制作に携わっていた雑誌でアートワークを表紙に使わせていただいたり、山梨のアトリエを取材させてもらったことがある。田代さんの小さな作品を、友人のアパレルショップへのギフトとして購入させてもらったことも。本当は自分で欲しかったくらい。(今も友人の店舗に飾ってあります)。



スクリーンショット 2020-04-10 12.34.05

スクリーンショット 2020-04-10 12.35.43

BLUESTAR MAGAZINE vol.16より

田代さんの絵画作品の作風は時期によってさまざまだ。過去にはアルファベットを自らの作風と融合させ、アレンジしたオリジナルのタイポグラフィを創出した「New Language,New Communication」を出版したり、お菓子メーカーのパッケージデザインにアートワークが採用されたり、NETS TOYOTAとコラボしたライヴペインティングなど、絵画作品以外にもさまざまな分野で活躍している。アトリエ「NEPHEWS」ではワークショップを行い、ギャラリーショップとしての機能も持たせ、自身の制作と並行してアートに触れる機会と場所を創りだしている。

画像7

TOSHIAKI TASHIRO.com ART WORKS「Newlanguage, New Communication」より

画像4

画像5

画像6

CAMPFIRE 田代敏朗 クラウドファンディング「【家族の自死を乗り越えて】画家人生25年間の集大成となる作品集を創りたい!
より

過去の傷や弱さと向き合う

過去に取材した際にも、生い立ちや今までの経歴を語ってくれたが、今回のクラウドファンディングではその時には語られなかった家族の悲劇が語られ、田代さん自身がどうして絵を描くのか、というルーツに立ち返っている。僕としても応援したい気持ちはもりもりなのだが、恥ずかしながら大きな額の支援が難しいので、こうしてnoteに文章を書いてお手伝いできないかと思った次第だ。

最近、僕がライターとして携わるblock.fmというメディアでインタビューさせてもらった移民ラッパー、Moment Joonさんが語ってくれた言葉がある。僕自身勇気をもらった言葉なので引用してみたい。

憧れ、コンプレックスや弱さを抱いているならそれを素直に表現すれば消化されます。でもそれを受け入れずに、変にカッコつけたりするからコンプレックスが解消されずに、同じようなものが生産され続ける。僕から伝えられることがあるとすれば、どこにいても素直になりましょうってことです。

block.fm 「自分のいるところが世界の真ん中」Moment Joon『Passport&Garcon』インタビュー より

ボリュームやコストを除いて考えたとき、美術家においての作品集は、概念的には音楽アーティストにとってのアルバムと通ずる部分がある。Moment Joonの言葉同様、弱い部分や過去の傷=コンプレックスをさらけだして飲み込んで、消化(昇華)した上で、ひとつのかたちとして留めておきたい、そんな思いから田代さんは今回の挑戦を思い立ったのではないだろうか。

画像7

アートが生む心のよりどころ、表現者の居場所

新型コロナウイルスの影響で“当たり前の生活”が維持できなくなっている今。自分の居場所すら揺るがされ、不安な日々が続いている。特に、文化的な表現を生業としている人はその“場所”や“機会”も失われてしまう危機に直面しているのだ。そんな中で、作品集というのは表現者にとってのひとつの居場所となりえる。それを見た人の心に寄りそうかもしれない。なんていったらおこがましいのかもしれないけど、絵画や音楽を見聞きしてちょっとほっとしたりするだけでも、アートって価値があるような気がする。まさに田代さんの作品って、一見、アクが強そうだが、目の前にすると日常にそっと寄りそう、不思議と親近感が沸く作品なのである。田代さんは毎年、カレンダーを作成し部数限定で販売している。田代さん自身、自分を「商業画家」だと取材した際に言っていた。“観る人”のことを第一に考える田代さんの、アートを身近に感じてもらいたいという思いの裏返し、もしくは今思えばその言葉には照れ隠しも含まれているかもしれない。実際に会ってみると毒舌でクソ面白い人なのだが、“観る人”のことを思う心遣いから、本当に(本当は? 笑)優しい人なんだなと感じる。

過去には、日比野克彦氏、村上隆氏らの選出で六本木ヒルズ森アーツセンター「Artist by Artists」出展した経験もある田代さん。現代アートが好きな人にはぜひチェックしてほしい作家だ。僕は有名無名にかかわらず、気が向いたら現代アートの展示をときどき観に行く。しかし、美術に特に造詣が深いわけではない。そんなことは関係なくアートって例えば、新作の映画や服をフラっと観に行く感覚で観に行くのも個人的には全然アリだと思う。

僕はクソミーハーなのでめちゃくちゃミーハーな例えで紹介させてもらうとすれば、昨年大規模な展覧会が行われて話題となったバスキアや、長野・松本が世界に誇る美術家、草間彌生にも通ずる、人間の根源的な感情が落とし込まれたドローイング、作品の数々を僕も作品集として観てみたいと思う。

田代さんのクラウドファンディングはCAMP FIREで4月末まで支援を募集している。

田代敏朗さんについての詳細はオフィシャルサイトまで


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?