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【コンビニ人間】村田沙耶香

こんばんは、となカエです。

気になってた本。
kindle unlimitedの対象になってたので
いそいそとダウンロードして読んだ。

表紙の印象から、
「世にも奇妙な物語」系かな?と思って読み始めたけど、
全然ちがった。

主人公の言動から、少し発達障害(診断つかないグレーゾーン)やアスペルガーがありそうな印象。

アスペルガー症候群は、自閉症にみられる特徴(社会性発達の質的障害、興味や活動の偏りなど)を共通の類似点として持っています。自閉症では知的障害や言語発達に遅れを伴うことがありますが、アスペルガー症候群ではそれらはありません。

知的レベルが正常であり、言葉の発達に遅れはないことなどから、一見すると「ちょっと変わった人」程度に認識されることもあります。しかし、アスペルガー症候群の方が社会生活を送る際に困難さを伴う点においては自閉症と相違はなく、治療や支援を行うことはとても大切です。

アスペルガー症候群と自閉症には重複する部分も多く、近年は「自閉スペクトラム症」として1つの疾患概念に含めて考えられるようになってきています。アメリカ精神医学会による最新診断マニュアル(DSM-5)では、アスペルガー症候群と自閉症の診断名は削除され、自閉スペクトラム症に統一されました。

メディカルノートより抜粋


三大欲求も薄く、言葉をそのままの意味で受け取ってしまう。

周りの人を模倣して、普通になじもうとしてる姿が淡々と描写される。

仕事はコンビニのバイト。
コンビニのバイトによって、主人公は「生きている」。

まさに天職なのに、周囲の《普通》の人たちがそれを良しとしない。

それは主人公の年齢が、
世間的にはターニングポイントが多い30代だから。

ずっとバイトでいいのか、
何も変化はなくていいのかと迫ってくる。

仕事して自分の食いぶち稼いでるのに、周りは何が不満なんだ!
十分ちゃんとしてるじゃん!

《普通》が押し付けられて、息苦しさを感じる。

話の中で、コンビニが細胞の入れ替わり/循環に例えられるシーンがある。
誰しも一度は考えたことがあるんじゃないだろうか。

途中から、ネットの嫌な部分を煮詰めて凝縮させたような「白羽」という男が出てくる。
とにかく嫌な奴。
それでも主人公は淡々と接する。
この主人公のブレなさに、少し恐れを感じた。
それと同時に、「その発想になるか?!」という提案もする。
その提案から、この白羽と最終的にどうなるのか、
ソワソワしながら読み進めてしまった。

主人公に対しても
周囲の《普通》の人たちに対しても
誰もが体験したり、共感したり、思うところがありそう。

最後は人によってとらえ方が異なるだろうけど、
私は「生きられる」場所があるなら、最高だなと思った。

「普通」とは何か?
現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作

36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。
日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、
「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる――。

「いらっしゃいませー!!」
お客様がたてる音に負けじと、今日も声を張り上げる。

ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、
そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが……。

累計92万部突破&20カ国語に翻訳決定。
世界各国でベストセラーの話題の書。
解説・中村文則

amazonより


今は【生命式】を読んでる。
まだ途中だけど、面白い。
短編集。
今とは違う常識になってる世界線のお話。



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