見出し画像

価格と価値のバランスがもはや解らない「消費者サイド:#値上がりしても買う理由」

消費者「視」点100%で書いていきます。私自身は「衣食住のコンサルとして、元々売り手側の視点」を持っていますが、同時に「消費行動がそれなりに好きな、そこそこ面倒な買い手」でもあります。


ここ最近の値上げラッシュが、大きく話題となっていますが、愛読している日経COMEMO様にて、こちらのテーマの意見募集がありました。


冒頭に記述をさせていただきましたように、「衣食住の売り手」でもあり「いち消費者」であるという、ある種の2面性が私にはありますので、今回は【消費者サイド】と【売り手サイド】の2つの記事を同時に投稿したいと思います。変なことをしてすみません。

(売り手サイドの記事はこちらです)


【#値上がりしても買う理由】

前提として、1人の消費者として世の中にある製品・商品の適正な価格を判断するのは、そもそもその業界に精通していないと難しいものだと思っています。

「値上げ」という言葉の通り、あくまでも今までの売価から上昇したことに対して、その商品が、もともと適正な価格で提示されているか否か、という点においての目利きは、その業界の特性や原価構造を理解していないと、不可能に近いです。

そもそも売価の設定は、売り手が自由に決められることである前提で(※ もちろん公共性の高いものへの制限、独占禁止法などがあるため、必ずしもすべてがそうではありませんが)、買い手はその価格で提示されたものを受け入れるか、受け入れないかの2択しか基本はありません。

とはいえ、その調整機能として、需要と供給のバランス、競合他社、類似品、代替品などが加味されることで、必ずしも売り手都合の価格だけがまかり通ることはなく、適正な売価に近いところに落ち着くのだとは思います。

欲しいモノがある場合、インターネットを駆使して、価格と価値のバランスを一応考え、販売店を比較することが非常に簡単な世の中になったので、その中でもトータルでコスパが良いと納得出来るところを探して、自分としては納得の上で買う、という購買行動ばかりしているように思います。

(コスパなので、早く手に入るかどうか、なども加味しています)

なので、あくまでも相対比較しか出来ないのが、私がそうなのですが、普通の消費者だと思います。一部原価構造を見せる動きは海外では出てきていますが、普通は公開していませんからね。


ではそろそろ、議題の本題に答えていきたいと思います。大見出しで議題となっている質問事項、小見出しでアンサーを書きたいと思います。


質問「最近の値上げラッシュをどう思いますか。値上げを受け、あなたの消費のあり方はなにか変わりましたか?」

回答「安いタイミングと買い場探しの意識がさらに強くなった」

まず、思いとしては「出来る限り損をしたくない。正しくは、損をしたと感じたくない」が強くなりました。

今の情勢を考えれば、モノの値段が上がることはやむなし、とは思っているので「よりお得なタイミングを探る消費スタイル」が強くなったように感じます。

全体的にモノの売価は上がってきている実感はありますが、その分セールやポイント還元が強まるタイミングと平常時の、お買い得感のコントラストが大きくなった感触があります。

なので、何が変わったか?と言われると「購入タイミングにシビアになった」が一番のところだと思います。

心理学的にも認められていると思いますが、損のダメージの方が大きいので「値上がりしている中でも、一番お得に買うことができた」を心の拠りどころにしている感触があります。

一番落ち込むのは、購入後少しして、値下がりしているのを見た時です。ECで購入後は、しばらく商品ページは見ないようにしています。


質問「値上げを機に買わなくなったモノ、サービスはありますか。具体的に挙げてみて下さい。」

回答「元々、買い続けるのを止めようか迷っていたモノとサービス」

これは、今回のタイミングにはじまったことではありませんが、何となく惰性で買い続けていて、やめるきっかけや「本当は買わなくてもよい理由」を、実は心の奥では探していたものが、それに当たります。

なので、ある程度「趣味性や嗜好性の高いもの、贅沢品」などでしょうか。

web上のサブスクリプションも、それで止めたものあります。

ここの難しいところは、その商品やサービス自体が値上がりしていなくても「他に買う必要があるものが値上がり」していれば、買うのを止めるきっかけとして充分というところです。

自分のお財布の金額は変わらないので、他に買う必要があるモノにが値上がりしてしまうと、トータルで使える金額が減ってしまうため、当然といえば当然ですね。

なので、具体的にそのモノやサービスそのものが値上がり、それを直接のきっかけに買うのを止めたケースは実は少なく、だからこそ具体的にこれを止めたという話は、今回はあまり意味がなさそうなので、書かないでおきます。


質問「値上げしても買いたい、と思うモノ、サービスはなんでしょうか。また、それはどうしてでしょうか。」

回答「相対比較できるものがなく、自分のものさしで測った上でも欲しいモノ」

先ほど「相対比較をする」という表現をしましたが、それが成立しない・難しいモノが、値上がりしても買いたいモノ・サービスになります。

個別の事例ならば、自分のひいきなブランドやメーカーの製品だったり、電気ガス水道、などが挙げられると思うのですが、

それを私なりの表現すると「自分のものさしだけで、価値と価格をはかれ、納得性があるもの」か「生きていく上で必要なもの」が、値上がりしても買うものだと思います。

ただし「自分のものさし」は、自分が自由に使える予算とリンクします。

いかにひいきにしているブランドでも、元々30,000円しか余裕がないのに、今まで20,000円だったものが25,000円になったら、流石に残り金額が心許ないので、躊躇しますが、どうしても欲しければ頑張って買うと思います。(他の何かを我慢する)

ただし、今まではぎりぎり29,800円だったものが、35,000円になってしまったら、絶対額として資金が不足しているのですから、どうやっても買えません。

なので理屈的には、ブランドやメーカーへの愛着があれば、少々の値上がりなら買い続けるのでしょうが、そこには、自分のお財布事情というものさしがあり、そこでシビアには判断するとも言えます。


まとめ

実は、もう一つの売り手サイドの記事を書き上げてから、このまとめを最後に書いています。

何だか自分が2重人格なのでは?と思うくらい、消費者と売り手サイド両方の目線を行ったり来たりして、今回のテーマについて考えて記事を書きました。

こちらの記事は、自分がいち消費者としてのものなので、その視点でまとめていきますが、私の本質的な気持ちとしては、

「今はコスパばかりを意識しているけれど、やっぱりひいき出来る企業やブランド、製品にもっと出会いたい」

ここにつきます。

自分がひいきにしているブランド製品は、いくつかあります。ただそのほとんどが、価格的なメリットが前提にあるものです。「どこどこの類似品と比較しても安いし、かつ品質もよい」を重視しています。

似ているのですが、それが、

「品質も良いし、他社製品と比べても優れている。値段はあんまり変わらなかったり、むしろ少し高いくらいだけど、自分はこれを選ぶ」

こういう買い物がもっと出来た方が、もしかすると健全なのかもしれないな、と感じつつ、締めたいと思います。

2つの記事を合わせて、6,500文字くらいになってしまいました。それだけ、こういう消費に対しての思いがあることだけは、良かったかもしれませんね。


#日経COMEMO #値上がりしても買う理由

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?