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Rebel in the Rye

先日おとずれた、お気にいりの映画館ジャックアンドベティ、

こんどのお目当ては「ライ麦畑の反逆児」。


面白かった。ドキュメンタリーだから当然なのだろうけれど、ごく自然なリアリティが漂っていて、いつもラブロマンスばっか観ているわたしにとってはとても新鮮で引き込まれた。

超個人的な話をすると、「サリンジャー」という作家に対して持っていた、「たぶん細身でうらさびしい感じの、でも顔立ちの整った、少年みたいな瞳の男性」という先入観は、以前観た「ライ麦畑で出会ったら」で払拭されていたので、そのこととが功を奏した。だって青年時代から映画を通してサリンジャーを演じる俳優ニコラス・ホルト、アメリカの青春映画でアメフト主将を演じていそうな出で立ちだったからね。


この映画を通して、ホールデン・コーンフィールドという少年が何者なのか、それが少し理解できた気がしている。

わたしたちはホールデンに共感を覚えつつ、いつからかしだいに大人色に染まっていって、気がついたらホールデンのような心を持った人のことを幼稚だと見下すようになるのかもしれない。

けれどホールデンが、小説「ライ麦畑でつかまえて」のなかに生きて続けているからこそ、わたしたちは大人になれる。そんなことを思った。



ちなみに「Rebel in the Rye」の邦題は「ライ麦畑の反逆児」になっている。

個人的にこの「反逆児」というワード、少々馴染み薄いのと暴力的な印象が強いのとであんまりしっくりこない。といってもrebelの邦訳は反逆児くらいしか出てこずで、代替案も浮かんでこない。アメリカでrebelというワードはどんな印象を持たせるのだろうか。もやもや。

邦題について、考えがある方がいたらぜひ教えてくださいな。