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ナチュラルワイン Natural Wine の記録

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自然への介入を抑えた、より豊かなワイン ~ Vin Nature Memorandum #0

自然への介入を抑えた、より豊かなワイン ~ Vin Nature Memorandum #0


1996年、祥瑞(しょんずい)の勝山晋作さん
Vin Nature Memorandum と題してVin Nature/ヴァンナチュール/自然ワイン/ナチュラルワインの記録を綴っていこうと思う。
#0はそのプロローグ

ヴァンナチュールに出会ったのは、たぶん1996年。

六本木の祥瑞(しょんずい)に初めて行ったのが1996年。店はまだ奥のエリアしかなく、壁も赤くなかった時代だ。

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ガビアン。搾り滓からもワインができるぞ!〜Vin Nature Memorandum#41〜

ガビアン。搾り滓からもワインができるぞ!〜Vin Nature Memorandum#41〜

エミリオロマーニャのIl Farneto イル・ファルネートのGabianガビアン。このal4%をワインと呼ぶかどうか(フレーバーワイン?)はやや迷うところだがモストの残る前年のヴィナッチャ(果皮と種子)に加えるのは蒸留水とレモンのみで醗酵&瓶内再発酵という手法と毎日飲める価格というのは紛れもなくナチュール発想。搾りかすで再びワインができるのはぶどうの力ゆえ。最初はグレープフルーツ水+レモン?と戸

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ドライ&クリスピーなフリザンテ〜Vin Nature Memorandum #40〜

ドライ&クリスピーなフリザンテ〜Vin Nature Memorandum #40〜

エミリアロマーニャのカミッロ・ドナーティ Camillo Donati のトレヴィアーノ2020フリザンテ。糖が残ったブドウモストを加えての瓶内二次発酵で作る微発泡。シードルを思わせる果実味と発酵感。ドライ&クリスピーでバターっぽい感じも。炭酸やや強め。

ジゴンダス隣接のお値打ち赤〜Vin Nature memorandum #38〜

ジゴンダス隣接のお値打ち赤〜Vin Nature memorandum #38〜

「ヴォクリューズの地酒」Vin de Pays de Vaucluseと命名されたAOCジゴンダスGigondasにあるドメーヌ・デュ・ペスキエの1本。葡萄はジゴンダスの北隣接のサブレ村のメルロー45%シラー30%マルセラン25%。リュットレゾネ。正確には「自然派」とは言えないかもしれないがそんなことはどうでもよろしい。このレベルの自然な葡萄の味わいで1,500円の価格は特筆。

自由な葡萄を味わう、ローヌのシラー〜Vin Nature Memorandum #39〜

自由な葡萄を味わう、ローヌのシラー〜Vin Nature Memorandum #39〜

ローヌのクリスチャン・ベネデッティ Christien Benedettiのシラー。
無農薬SO2無添加。香り華やかで果実味もありタンニンも効いているが、くどくないのがいい。お買い得。ナチュールの味わい表現覚書として、輪郭が柔らかく不定形な感じ、どことはなく感じる粒子感。つまり葡萄を無用な力で方向づけや押し込めや精製純化せずに自由に遊ばせている感じ。

無農薬ナチュラルにこだわる山形東根市IKKA農園のデラ〜Vin Nature Memorandum #35〜

無農薬ナチュラルにこだわる山形東根市IKKA農園のデラ〜Vin Nature Memorandum #35〜

山形東根市のIKKA WINESさんのDELA 2021 Y!G! 。「飲むほどに自然が豊かになるワイン」を掲げ、ぶどうの無農薬栽培と無濾過無清澄酸化防止剤無添加醸造にこだわる。マスカットやりんごの香り。酸味と苦味と蜂蜜の甘さ。行き着く先は葡萄そのものの至福。写真はさまざまな雑草が繁茂し夏でも快適な葡萄畑とベレゾン前の見るからに健全そのものデラウェア、そして代表の針生栄二さん。今期の委託醸造先は南

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古樹アリアニコのお値打ちナチュール〜Vin Nature Memorandum #36〜

古樹アリアニコのお値打ちナチュール〜Vin Nature Memorandum #36〜

イタリアバジリカータ州のカンティーネ・マドンナ・デレ・グラッツィエ Cantine Madonna Delle Grazieのアリアニコ デル ヴェルトゥーレ Aglianico de Velture 。樹齢50年。地元種アリアニコはギリシャ由来のイタリア最古種。醗酵後8ヶ月シュールリー(澱の上で)熟成の後に軽く濾過、無清澄。SO2トータル118mg/l。濃いルビー色。しっかりした葡萄の果実味に澱

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自然に徹したピノグリルオレンジペットナット〜Vin Nature Memorandum #37〜

自然に徹したピノグリルオレンジペットナット〜Vin Nature Memorandum #37〜

アブルッツォの協同組合のルナーリア lunariaブランドのピノグリオレンジペットナット。Ancestrale アンチェストラーレ(先祖からの方式で)と銘打たれたシリーズの一本。ビオデナミ天然酵母温度管理なし無濾過SO2無添加マロラクティック醗酵なしと、自然なワインに徹しています。苺香、ピノグリらしいドライ感、炭酸強め、後味がやや単調平板だがオリをシャッフルするとコクと旨みが行き渡る。お値打ちイタ

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上山・DROPの絞ったデラそのままの白〜Vin Nature Memorandum #31〜

上山・DROPの絞ったデラそのままの白〜Vin Nature Memorandum #31〜

山形の上山のDROPさんの白。絞ったデラそのままの香りと苦甘さという自然体。甘酒っぽい醗酵の風味やお菓子のようなバニラのテイストも。進むにつれて奥行が。写真は大石田の次年子窯 Jinengo-gamaさんの手になるアンフォラ。

ピュズラ&ボノームのキュベ東北〜Vin Nature Memorandum#32〜

ピュズラ&ボノームのキュベ東北〜Vin Nature Memorandum#32〜

#29 .のロワールのテェリーピュズラ&オリヴィエボノームが震災を経た東北への想いを込めて命名提供したCuvée Tohoku。エチケットのアルファベットはピュズラ氏、東北(!)はボノーム氏の手になるそう。マルベックらしい濃い赤紫色&渋いプラム味のワイルド感と粒子の粗いグレイン感。

プロヴァンスの淡く優しいシラー〜Vin Nature Memorandum #34〜

プロヴァンスの淡く優しいシラー〜Vin Nature Memorandum #34〜

プロヴァンスのリュベロン地方・ルールマラン村のアレクサンドル・ダレ Alexandre Dalet のルピオンRoupillon。ビオロジック。全房7日間マセラシオンカルボニックによる淡い色で優しい味わいのシラーは南仏イメージを喚起。自然で穏やかな果実味はリピートしたくなる1本。ルールマラン村はカミュが晩年住んだ村だね。@富士屋本店日本橋浜町。

地元種によるギリシャナチュールに注目〜Vin Nature Memorandum #33〜

地元種によるギリシャナチュールに注目〜Vin Nature Memorandum #33〜

ギリシャのケファロニア島のスクラヴォス アルシミストSclavus Alchymisteの白。地元種ロディティス50%。畑はビオデナミやビオロジック。イメージ通りに柑橘系の香りと爽やか果実味が特徴だが、旨みや苦味、石灰質土壌のミネラル感もあり印象に残る。ギリシャナチュールに要注目。@富士屋本店日本橋浜町。

ロワールのミネラル。レイナルド・エオレのペティアン・ナチュレル・ロゼ ~Vin Nature Memorandum #1

ロワールのミネラル。レイナルド・エオレのペティアン・ナチュレル・ロゼ ~Vin Nature Memorandum #1

ロワールはオルレアンのレイナルド・エオレ Reynald Héauléさんのロゼのペティアン・ナチュレル シリス・アン・ビュル 2019 Petillant Silice en Bulles Rose@ I.N.U.WINESさん福岡の角打ち。ピノワール、ガメイほか。クリアな色と味わいは直接プレス法による。「シリス(硅砂、硅石)」の命名は土壌由来か。唯一の影響はクロード・クルトワからという孤高派。

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ボルドーのエレガントなマルベック〜 Vin Nature Memorandum #2

ボルドーのエレガントなマルベック〜 Vin Nature Memorandum #2

ボルドーの南東Cahorsカオールの「マルベックのスペシャリスト」
Laurent Marre ローラン・マーレさんの Le Vent des Jours ル ヴァン デ ジュール LES MOUTONS 2019。いわゆるマルベックの重いイメージを覆す繊細でエレガントな味わい。果実味もたっぷり。モダンフレンチによく合う。Le Vent des Jours は「日々に吹く風」みたいな感じか。@IN

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