見出し画像

【1回目の転職】民間企業から教員へ

前回書いたように新卒では民間企業(商社)に就職しました。


商社への就職を決めた理由

 私が在籍していた工学研究科の応用科学専攻だと、主な就職先は化学、電機、繊維メーカーや自動車業界が多いです。ですが、就職活動では、化学の研究職だけではなく、化学の知見を活かした他の業界も含めて広く説明会等に参加しました。その中で、商社の技術職に決めたのは、研究室で毎日研究ばかりするのではなく、社会と多くかかわりながら、ビジネスの最先端に触れることができ、社会を変えることができる仕事に携われると聞いたからです。毎日研究に励むのも嫌いではなかったのですが、人とかかわることが好きなことや環境・エネルギーに直接的に携わることができることにとても魅力を感じて、商社への入社を決めました。

4年間の商社勤務

 商社勤務は想像以上に刺激的な毎日でした。配属はプラント関係の設計、開発を行う部署でした。今後持続可能な社会をつくっていくうえで、非常に重要とされるエネルギーを扱う設備で、当時の日本、いや世界でも数少ない状態でした。環境省、大手自動車メーカー、地方自治体、機械メーカー等様々な機関と連携しながら新しい事業を進めていく経験は貴重でした。大学で専攻していた化学とは違う分野の知識を求められて苦労しましたが、勉強して必死に食らいついていきました。トライ&エラーを繰り返しながら進めていくプロセスは大変でしたが、今思うとそういうことに喜びを感じていたのかもしれません。

教員への転職を考えた理由

そんな中、なぜ転職しようと考えたのか。理由はいくつかあります。

  • 将来的に持続可能な働き方ができないと思ったから。

  • 仕事内容への疑問

  • 挫折

将来的に持続可能な働き方ができないと思ったから

 当時は東京本社に勤務していましたが、いわゆる出張族で週2日ペースで出張。プラントの施工が始まると、月単位での出張。場合によっては視察のために海外出張。また、全国転勤ありということで、若いうちはいいとしても将来家族をもったときに、自分には難しいと判断。また、一人っ子ということも頭にあり、できれば地元で働きたいと思っていました。(当時この会社の研究所が実家から勤務可能な範囲にあったため、そこでの勤務を希望していたのですが、その研究所が遠方に移転となってしまいました。)

仕事内容への疑問

 私の人生の軸としているのが、持続可能な地球環境のための活動。これと照らし合わせた時に、進めている事業が「脱炭素」「クリーン」と謳っているものの、本当に地球のためになっているのか疑問を持たざるを得ないことがありました。それはビジネスであり会社の存続のためには必要なことでもあるのですが、仕事をしながら葛藤していました。(今では社会問題をビジネスで解決するソーシャルビジネスといった概念も広まっていますが。)

挫折

 仕事のレベルがとても高く、とても数年で先輩たちのような仕事ができるイメージが湧きませんでした。負けずに頑張っていたら自分自身成長できたでしょうし、違った景色を見ることができていたかもしれません。逃げていた自分がいます。

いざ、教員採用試験へ

 そんなとき、大学で取得した教員免許、そして教育実習を思い出しました。また、当時会社で取り組んでいた小学校への出前授業を担当させていただいたことも教員へ切り替えるきっかけだったのかもしれません。

 教員なら地元で働けるし、家族をもっても安定して働ける。好きな化学を教えられる。野球にも携われる。そんなわけで教員になることを決意しました。

2度目の試験でつかんだ合格

 入社3年目の夏に教員採用試験に挑むも、1次の筆記試験で不合格。翌年の試験で何とか合格。公立高校の教員として採用されることが決まりました。

 採用通知をいただいた後、会社の上司に報告。とても驚いていましたが、教員への転職を応援してくれました。部署全体でも送別会をしていただき、本当にありがたかったです。

 翌年4月、晴れて高等学校の教員となりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?