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ハンサムじゃないとダメですか? ──かたすみの女性史

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歴史ドラマの主人公が女性なのは、もちろんうれしいけれど、 エンターティメントの悲しさ、ドラマの女主人公は、みな有能で勇ましく、美人で自信満々の“勝者”です。 来年のNHK大河ドラ… もっと読む
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#新日本文学

《注》【第2話】壺井栄をなめるなよ!

《注》【第2話】壺井栄をなめるなよ!

《注》
●(その1)
*1)徳永直の「妻よねむれ」は、1946(昭和21)年3月の『新日本文学』創刊号から連載開始。
ただし、「妻の座」初回が掲載された1947年7月号には「妻よねむれ」は載っていない。「妻の座」の第2回は、「妻よねむれ」の連載終了(1948(昭和23)年10月)後の1949(昭和24)年2月号に載り、以後、7月号までつづいている。だからつまり、「妻の座」と「妻よねむれ」は、一緒の

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かたすみの女性史【第2話】壺井栄をナメるなよ !(その1)

かたすみの女性史【第2話】壺井栄をナメるなよ !(その1)

壺井栄をナメるなよ!(その1)  栗林佐知

■ニコニコ顔のおばさん作家

 壺井栄の名を知らない人は、あまりいないだろう。
 国語の教科書でその作品を読んだことのない若い人でも、映画「二十四の瞳」の原作者、といわれれば、そのイメージを呼び起こすことができると思う。

 「台所からエプロン姿で手を拭き拭き現れたニコニコ顔の善良なおばさん」(鷺只雄『評伝 壺井栄』翰林書房、p7)といわれる、えくぼが

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