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記事一覧

2月1日 「猥褻」という考え方を捨てて性文化について考える。

 日付がおかしくなっているけど気にせずに。この日の前日、『裸はいつから恥ずかしくなったのか』『夜這いの民俗学』という2つの読書感想文を書き終えて、その2つのブログでも書き切れていないことをここで補完しようと……そうやって立ち上げた記事である。  前回のお話しはこちら。  さて、どこから考えるべきか。  隙を生じさせぬ二段構え……ネットのスラングにこういう言葉があるが(今でのあるのかな?)、まさにそれ。私たちは知らない間に「性」に対する意識を変えさせられていた。  一度目は

2月25日 ベーシックインカムを導入しても怠け者は生まれない。

 ……ですって。  記事には、実はベーシックインカムは最近急に出てきた議論ではなく、これまでに何度も議論され、しかも実験もされていた……という。  ……知らなかった。  1969年のアメリカで、あるいはコロナ禍のアメリカで、2017年にフィンランドで、2016年にケニアで……意外といろんなところでベーシックインカムの実験ってやっていたんだなぁ。  「ベーシックインカムなんぞ導入すると、人々は怠けて働くなる」という批判はよく聞くが、どの地域での実験でも、労働の意欲に変化が起きる

2月14日 人間の脳はドアをくぐった瞬間にリセットされる――『ドアウェイ効果』

 あーあるある😅  「そうだ、あれやっておこう」って思って部屋に入った瞬間、記憶が飛ぶ。あれって【ドアウェイ効果】って名前があったんだ。  ここから私の個人的な経験の話をするんだけど、どうやら人間は「意識」が切り替わった瞬間、脳内にインプットしていた内容をリセットする……という習性があるんじゃないか、という説を考えている。  例えば、ものすごく集中して物事を考えていたけど、その集中が一瞬途切れたら「はて? なにについて考えてたっけ?」ってなる。そういう「意識の切り替え」を環

2月5日 コナミがアニメスタジオを作るそうです。その話を聞いて思ったこと。

 えー…コナミが独自にアニメーション会社を作りました……という話です。  私がアニメーターだった頃の話、コナミは業界の全アニメーターの「リスト」を作っていた……という話を聞いたことがある。私の先輩はそのリストを直接見て、自分の名前もあった……と話していた。  ……私の名前もあったのだろうか?  この話も十数年前の話になるから、今もリストがあるのかどうかわからない。とにかくも、コナミは実は意外とアニメ業界を見ていた、ということがわかるエピソードだ。  今回の話は、「表」の面

2月5日 vision proを購入できた人たちが羨ましいです・・・

前回  アメリカではすでにvision proが発売。Twitter(X)で#visionproと検索すると、いろんな人が使用例を紹介している。  こちらのTwitterでは、机周りだけではなく、家中のあちこちに画面を設置している。キッチン前には料理マニュアル、冷蔵庫前にはおそらく冷蔵庫の中に入っているもののリスト。  URLのチェックを忘れちゃったのだけど、とある人は壁にお気に入りのレコードジャケットを貼り込む……ということをやっていた。指先一つで、壁に貼ったピクチャ

1月20日 予言:Apple vision proは初年度45万台しか売れない

 あのApple発の空間コンピューター『vision pro』の発売日がいつの間にか2月2日に決まっていた。米国のみで発売するから、日本ではあまりニュースにならなかったのかな? (あ、ということはこれがブログに掲載される頃にはすでに販売が始まっているのか。その以前に書いているとはいえ、未来の話について書いていると変な感じになる)  さて予言。  vision proは初年度45万台しか売れない  …………。  いや、これは予言でも何でもなく、ソニー製マイクロOLEDが年間

1月13日 孤独な天才。『ジブリと宮崎駿の2399日』の感想

 NHKの『ジブリと宮崎駿の2399日』を視聴した。いやぁ、録画してたの、すっかり忘れてた。  内容はすごく良かった。編集に凝ったドキュメンタリーで、現在の映像とアニメの映像、過去映像がパッチワークのように組み合わせて宮崎駿の現在地を表現している。この表現が現実とアニメの境界が崩れかけようとしている人……という印象をうまく表現できている。  ドキュメンタリーの大テーマは、2018年にこの世を去った高畑勲との関係。宮崎駿と高畑勲。ともに東映動画出身で、高畑勲のほうが6つ上の

1月8日 AIがストーリーテラーになる日は?

 AI関係の面白い記事を見つけたので紹介。  詳しい話は、元記事を読んでもらうとして……気になったところはここ。  Steamで配布された『ポートピア連続殺人事件』は残念ながら「AIなし」だったのだけど、では「AIあり」はどんな感じだったのか……という一例で示された場面。AIあり版はヤスと日常会話もできるのだけど、深掘りしていくとなんとなく変な感じになる。ヤスが急に「うまい棒が高い」という話をし始めて、給料いくらか、と尋ねると「20万円」。ではどんな仕事をしているのか、と

2月6日 映画『スーパーマリオ』を見ながら、ゲームの映画化の歴史に想いを馳せる。

前回  この記事を書く前日、『映画感想 ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を書いたのだけど、そこでの書き漏れ、というか作品の外枠の話をするので、別の章を設けることにした。  長くなりそうだったしね。  話は「なぜ今になってようやく『スーパーマリオブラザーズ』は映画になったのか」あるいは「映画にすることができたのか?」という話。 実写版スーパーマリオはなぜああなってしまったのか? 話は1993年、実写版『スーパーパリオ 魔界帝国の女神』の頃に遡る。  ここからはW

11月29日 AI革命以後社会を考える⑦【終】 まとめ・政治は社会が変わってからやっと追いついてくる

 はい、最後のまとめです。  途中で書いたように、AI革命の時代が来て、社会構造が変わったとしても、政府は基本的に何もしてくれない。政府が旗振り役になって、率先して動く……なんて期待はしてはいけない。政府は基本的に「何もしたくない」人達が集まる場所なので、そういう人達がなにかしてくれると期待してはいけません。  もしも日本政府がなにかする……というときは「新しい社会体制を作るので消費増税します」とか言うに決まっている。政府に対し私は心を込めて「何もするな」という言葉を贈りた

11月29日 AI革命以後社会を考える⑥ AI時代にこそ問われる「教養」と「遊び」

 AI時代、もっとも問われるのは「遊び」についてである。いかにして遊ぶか、遊びに価値を見いだせるか……が問われる。  ……と、いう話は私の著書『生き残るために遊べ!』のなかで書いたのだけど、しかし件の本はAmazonの気まぐれによって絶版になってしまったので、今回はあの本に書いた内容の省略版を書くことにしよう。 (Kindleに裏名義でエロ本を出版していたのだけど、その一つがレッドカードになって、アカウントごとお取り潰しになった……というのが経緯)  まず「遊び」というもの

11月28日 AI革命以後社会を考える⑤ 核家族が終わる時

 いわゆる「就職氷河期」がやってきた頃、仕事を獲得できなかった若者が、その親から罵倒され、そのまま家を追い出される……というような話がぽつぽつとあった。就職氷河期の親……というのは団塊世代か、それよりちょっと後くらいの世代で、「大人になったら家を出て行くのが当たり前」「結婚して、自分の家庭を作るのが当たり前」「それができない奴は甘え」という考えだった。  しかし団塊世代とその後はまるっきり社会状況が違う。団塊世代やバブル世代は、どこにいっても採用されるのが当たり前、就職の苦労

11月28日 AI革命以後社会を考える④ 成功者にぶら下がる社会 【ぶら下がり生存法】

 ではここから具体的に、AI革命の時代に入ってきた、そういう時代に入ったとき、どうするか……という話を掘り下げていこう。  ここまでに書いてきたように、まず政府は何もしてくれない。AI社会がやってきても、政府はそれに対応した施策なんか絶対にやってくれない。まして政府が旗振り役になって、時代の先頭に立つ……あり得ない、あり得ない。世の中も、AI社会がやってきて、大量の失業者を出したところで、それに対応した何かなんてやってくれるわけがない。人間の意識はそう簡単に変われないので、こ

11月26日 AI革命以後社会を考える③ 変革はすぐにやってくるわけではない

 と、ここまで「AI革命以後の時代がやってくるぞ! 大変だー!」という調子で書いてきたけれども、しかしそういう時代がすぐにやってくるわけではない。もっと緩やかに、じわじわと社会観が変わっていくだろう……と予想している。  イギリスにはかつて、「ガス灯を点ける仕事」というものがあった。電気街灯が発明され、それが世界的にも当たり前になった時代になっても、イギリスにはまだガス灯に明かりを点ける仕事が残っていた。ガス灯に明かりを点ける仕事は1920年頃まで残っていて、その後、ようや