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2022年オーナムサッディヤのメニュー

いよいよ、2年ぶりのオーナムサッディヤの開幕です。

紆余曲折ありつつ、ようやくメニューが決まりました。
解説になっているかどうか不安なところですが。。。
会場ではとらさんへのご質問もお受けいたします。どうぞお手柔らかに。
よろしくお願いいたします。

1、サンバル
ミールスの中心になる汁物。とら屋食堂では、冬瓜・茄子などの野菜が入っています。よく「インドの味噌汁」と呼ばれます。使われている豆は「トゥールダール」
以前、とらさんに「一種類しか使っちゃいけないと言われたら、どの豆を選ぶ?」と聞いた時にトゥールダールを選ぶと言っていました。確かにサンバルの美味しさはこの豆の味わいだと思います。

2、ラッサム
おすましのような汁物。酸味はタマリンドによるものです。胡椒が効いています。
実は、汁物類の中で、一番スパイスをリッチに使っているメニューでもあります。
(濾したスパイスの量と種類を見ると、びっくりされるかも)
酸味が苦手な方の中には、一口味見した後、そのまま放置されてしまうこともあるのですが、もったいない!です。スパイスやタマリンドなどの効果効能もですが、他のおかずと一緒にライスの上で組み合わせると深みとコクが増して、団体戦には欠かせないメンバーだということを感じていただけると思います。
ぜひ、初見だけで見捨てず、色々チャレンジしてください。
逆に、ラッサムの美味しさに気づいてくださった方は、ぜひ締めにも味わっていただきたいです。
以前、お会計が済んで、立ち上がってコートを着た時点で「ああー、やっぱりラッサムをもう一口」とおっしゃった方がいらっしゃいましたが、おかわりはいくらでも受け付けております。どうぞ、ご遠慮なく。

3、ダール
いつもは、ライスの上にかかった状態でご提供していますが、今回は別盛りでご提供いたしますので、より一層、じっくり味わっていただけると思います。
豆はムングダール、消化に優しく、離乳食にも使われるそうです。
出来立てのダールは、ポタージュスープと間違えられるほど。
その優しい美味しさは、他の汁物との相性も抜群です。ぜひ、単品で、そして組み合わせて、お楽しみください。

4、カダラカリー
カラチャナ(黒ひよこ豆)を使った汁物です。
一般に「ひよこ豆」というとガルバンゾーをイメージしますが、インド料理で使うひよこ豆は、それよりもひとまわり小さなカブリチャナとよばれるものが多いのですが、このカラチャナはそれよりさらに小さくて黒いものです。この皮を剥いて、半割にしたものをチャナダルとよんでいます。豆自体の味がとても美味しく、その旨味を味わっていただきたい汁物です。

5、トマトのカーラン
ヨーグルトを使った汁物です。
現地のオーナムサッディヤでは、青バナナを使ったカーランがよく登場しますが、今回は旬を迎えたトマトの美味しさをヨーグルトで仕上げてみました。
ヨーグルトベースの汁物はいくつもありますが、それぞれ美味しさが違って、合わせると何重にも楽しみが増えますので、ぜひあれこれお試しください。

6、ビーツのパチャディ
とら屋食堂の定番といってもいいメニューです。
ピンクの色は、鉄分の色です。マスタードの風味が効いたちょっと大人の味わいが特徴ですが、不思議と幼いお客様にも大好評です。保育園のお絵かきの時間に「大好きな食べ物」というテーマで、ピンク一色に塗った画像を送ってくださったお母様もいらっしゃいます。嬉しいですね。

7、オクラのパチャディ
オクラのネバネバがヨーグルトにとても合って「いくらでも食べられる」とおかわりが続出するおかずの一つです。
ちなみに、とらさんが一番好きなおかずの中のひとつです。ランチミールスのおかずで、おかわりが多くすっからかんになったホテルパンを覗き込みながら「あー、なくなっちゃったなぁ」とちょっぴり寂しそうに呟いています。が、どうぞ気にせず、お気に召しましたら、バンバンお声をおかけください。

8、パイナップルのプリセリ
サッディヤはケララのお祭り料理ですが、本当にココナッツとヨーグルトの消費が半端ないのです。
トマト・ビーツ・オクラ・パイナップルとヨーグルトのおかずを食べ進めてみて、いかがでしょうか?それぞれの素材の持つ癖・特徴そして美味しさを活かせていると感じていただいたら、とても嬉しいです。
パイナップルとヨーグルト、それをご飯と一緒に食べると聞くと、どんな罰ゲームよ、と思ったこともありましたが、いやはや、これほどクセになる取り合わせもないように感じるのは私だけでしょうか?

9、南瓜のエリセリ
今回、パンダ豆(黒目豆)を使って仕上げています。パンダ豆は11のオーランにも登場しますが、小豆にも似たとても美味しい豆です。
もちろん、ココナッツもしっかり入っています。こっくりしっかりボリュームのあるおかずです。

10、アヴィヤル
現地のサッディヤにもよく登場するおかずです。
ココナッツとヨーグルト、いかにもケララ!というおかずです。
今回はインゲン、人参、ジャガイモの3種類の素材の美味しさをシンプルに味わっていただきたいと思います。
実は、前出のエリセリとこのアヴィヤルは、サッディヤをいかに完走するか、の鍵になるおかずだと思っています。食べ過ぎると、後で苦しくなる、いや、アスリートじゃないのですから、どうぞお気の召すまま、思う存分食べて、というのも大事だと思います。

11、冬瓜のオーラン
ココナッツミルクの優しい汁物です。エリセリにも使われているパンダ豆、この煮汁がいい仕事をしています。
とら屋食堂では「あんちょこデモ」というミールスの調理方法を目の前で見ていただくワークショップを不定期に行っています。そのデモの中で、このオーランも登場するのですが、煮たパンダ豆を味見していただいています。何も手を加えていない、ただ煮ただけの豆がとても美味しいのです。この味わいをそっとココナッツの風味が応援している、そんな優しい味わいをお楽しみいただけたら嬉しいです。

12、キャベツのトーレン
炒め物の中でも人気の高いメニューです。
汁物と一緒にライスに加えても、もちろん単品でも、その食感の良さと香り、そして優しい味わい、加えて、キャベジンでも有名な胃粘膜修復成分「ビタミンU」のパワーも期待できる、今回の隠れたエースです。
炒め物はやはり出来立てが美味しいので、毎回少しずつ調理していますが、すぐに追加できますので、遠慮なくお声がけください。

13、カード
味のついていないヨーグルトです。パチャディやらカーランやら、あれこれヨーグルトがベースになったおかずが並んでいるのに、ここでさらにヨーグルトですか?と思った方もいるかもしれませんが、いやいや、これが全く違うのです。
先日、エリックサウス八重洲店でミールスをいただいた際に、カードのカトリ(食器)が他のおかずより、ひとまわり大きいことに驚くとともに、さすがだなぁと感動しました。カードを使いこなすことで、ミールスの美味しさもさらに深まるのかもしれません。ぜひお試しください。

14、ライス(タイ米)
とら屋食堂のランチミールスでは、バスマティライスではなく、このタイ米をお出ししています。華やかな香りのバスマティの前に、野菜の持つ素朴な優しい香りは吹っ飛んでしまいます。いや、もうこのバスマティライスの香りのパワーはすごいのです。(と書き始めたら終わらなくなるので、ここまでにして)
野菜本来の味や香りを楽しんでいただくためにも、タイ米を使っております。
湯取り法(パスタを茹でるようにたっぷりのお湯で調理します)でパラパラふかふかに仕上げておりますので、多少汁だくかな?と思うくらいでも大丈夫です。しっかり受け止めてくれますので、いろんなおかずを組み合わせてお楽しみください。

15、ライス(マッタライス)
インドの赤米といわれるお米です。タイ米と並べて盛り付けると、紅白でなんだかおめでたい気分になりますね。おかずの汁気を含むと、なんともいえないぷくぷくとした食感が楽しめます。
初めて訪れたケララでこのお米を食べたいと思っているのに、レストランの方が「外国から来たお客様に、そんな米は出せない、バスマティライスを召し上がるべきだ」と頑なに主張されたのも、今となっては懐かしい思い出です。
以前は、とても手に入りづらいものでしたが、今ではなんとアンビカさんでも購入できるようになりました。凄い時代です。とはいえ、高級米バスマティライスよりも高い!!!びっくりです。店内にも置いています。

16、ポディ
ライスの上にかけるミックスパウダーです。今日はカレーリーフソルトを使っています。必ず、ギーや油とセットになっています。
カレーリーフソルトは店内でもご購入いただけますので、お気に召した方は、ぜひお声がけください。

17、ギー(太白ごま油)
「ポディをかけたら、ギー」までがセットになっています。今回はギーの代わりに太白のごま油を使用します。ギーをご希望の方はお声がけください。

18、パパド
豆のお煎餅です。さっと揚げてお出しします。
そのまま食べても香ばしく、ライスに割り込めば、適度な塩加減もミールスの美味しさを増してくれます。時々、割ったパパドにおかずをちょこっと乗せて、カナッペのように召し上がっている方がいらっしゃいますが、エリックサウスの稲田さんの「パパドは主食ではなく、あくまで「おかず」として扱います」という言葉に深く頷く私がいます。いや、ミールスにルールを求める方ではないので、どう召し上がっていただいても構わないのですが、どうもパパドでおかずを食べ始めてしまうと、ミールスの楽しみが減ってしまうような、そんな場面が多いのです。
大森のケララの風モーニングの沼尻さんが「ミールスはライスを食べるものだ、そのためのおかずなんだ」と力説されたように、やはりライスをベースに、パパドはそのバリエーションを広げるために使っていただく方が楽しいような気がします。
(あー、語りすぎてしまった。。。反省)
時々、半分に割って、残り半分を大事に大事に取っておられる方がいらっしゃいますが(とっても小食な方を除き)ぜひ遠慮せずに、また新たな1枚をおかわりしてください。ほんと、このサッディヤでは「遠慮」という言葉は遠くに放り投げてご参加くださいね。

19、バナナチップス
サッディヤには、乾き物ポジのメニューが複数登場します。今回は、バナナチップスと生姜のチップスをご用意する予定でしたが、チップスはバナナのみとしました。コロナ禍で以前使っていたメーカーさんが撤退してしまったので、あれこれ探してみたところ、今回のチップスに辿り着きました。
インドで食べたサッディヤのジャックフルーツのチップスがとてもおいしかったのですが、どうやらそれはレストランのオリジナルだったようで手に入らなかったのは、今でも残念です。そうと知っていれば、お持ち帰りしたのに。。。もう何年も経っているのに、食べ物への執着はなかなか無くならないですね。

20、生姜スライス
前述の通り、生姜チップスをご用意するつもりでしたが、以前お出しして好評だった、岩塩とレモン汁をかけた生のスライスをご用意することにいたしました。
この「食前の生姜」は、武蔵境にある香取薫先生の料理教室「キッチンスタジオペイズリー」でレッスン後の試食の前に必ず出されているものです。
これからやってくる、たくさんの食材に対応するために、胃を起こして、迎える準備を整える働きがあります。胃を起こすための刺激になるものなので、ちょこっとかじっていただければ大丈夫、完食する必要はありません。

21、塩
「えっ?塩?!」
初めて、ケララでサッディヤをいただいた時、私もびっくりしました。
お品書きの一品部分に、威張って書いてありますからね。
とはいえ、自身の好みの味を追求するのがミールスの楽しみなのであれば、塩加減も自分で決めたいですよね。
というわけで、今回は塩もメニューの一つとして挙げることにしました。

22、インジプリ
インジ=生姜、プリ=タマリンドです。「プリインジ」ともいいます。
これとレモンピックルは前もって作っておきます。それ以外は当日調理が基本です。
インジプリは、口直しに使う方が多いですが、実はお料理に合わせても美味しいんですよ、色々楽しんでみてください。

23、レモンピックル
レモンピックルも、インジプリ同様、数日前に仕込みます。
レモンを大量に刻んでいると「あー、サッディヤが始まるんだわ」という気分が盛り上がります。酸っぱいのが苦手な方は、最初は少しずつ加えてみてください。
ちょっと入るだけで、グッとサッディヤっぽくなりますよ。「え?サッディヤっぽいってどんな感じ?」と思った方、ぜひ体験してみてください。

24、マンゴーアチャール
いつものランチミールスでもお世話になっている若いマンゴーのアチャールです。
レモンピックル・インジプリはお代わりに制限がありますが、こちらは何回おかわりしても大丈夫です。安心してお声がけください。
ちなみに、マンゴーアチャールは市販品です。マンゴーを使ったアチャールはたくさん出ていますが、インドアメリカン貿易商会のものが一番お気に入りで、開店前から使わせていただいています。店内でもご購入いただけます。

25、サンバラム
青唐辛子とコリアンダー(パクチー)の香りが印象的なヨーグルトドリンクです。
ドリンクといっても、これもまたおかずの一つ、ライスにかけてもさっぱりといただけます。時々、青唐辛子自体が入っていることがあるので、気をつけてくださいね。
お好みがあるので、少しずつ注ぎ分けています。お好きな方は遠慮せず、お声がけください。おかわりをお持ちいたします。

26、パッティンガム
お祭りでお馴染みのピンクのお水です。樹皮を煮出して作っています。
遠くにインドを感じていただけますでしょうか?
新大久保の某店ケララ出身の方に伺ったところ「そういうのがあるのは知ってるけど、僕のところでは飲んだことも見たこともない」とのことでした。どうやら、ケララのごく一部の地域で飲まれているようです。
沼尻さんのレシピ本を出版した玉置標本さんの実践レポートがとても面白いので、ぜひご覧ください。https://dailyportalz.jp/kiji/drink-PATHIMUGHAM

27、ワダ
本当は、サッディヤにはあまり登場することのないキャストですが、せっかくとら屋食堂のイベントに参加するのだから、ぜひ食べていただきたい、という気持ちだけで登場しています。
ぜひ揚げたてのふわふわした食感と、香ばしさを味わってください。

28、ココナッツチャトニ
ココナッツ満載のサッディヤですが「これぞココナッツ」というディップです。
もちろんワダとの相性も抜群ですが、ライスと合わせても、グッと味が変わって来ます。おかわりできますので、遠慮せず、あれこれお試しください。

29、デザート(マンゴーパヤサム)
サッディヤでは、本来複数の甘いものが登場します。インドに行った際、自宅用に白黒2種類のデザートを持ち帰るお父さんたちの姿がみられました。
色々悩んだ末、バランスを考えて1種類に留めました。甘さも「ほどほど」のところで勘弁してもらっています。マンゴーの甘さと優しい酸味をお楽しみ下さい。
このマンゴーパヤサムは、乳製品は使用しておらず、ヴィーガンの方も安心して召し上がっていただけます。

30、バナナ
なぜか、バナナが付くんですよね。小さいサイズのモンキーバナナだったりもしますが、とにかくバナナは付いてきます。
インドにサッディヤを食べに行った際に、なぜバナナが付くのかを聞いてみたりもしたのですが、「バナナは付いてくるものなのだ」という返事でした。
うーむ、どなたかご存知の方がいらっしゃったら、ぜひ教えていただきたいです。
とはいえ、今や無いと寂しいような気もするバナナです。ぜひ、パヤサムと一緒に召し上がってみてください。もちろん「オナカイッパイでウゴケマセン」という方はお持ち帰りいただいても大丈夫です。おうちでサッディヤの続きをお楽しみ下さいね。

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