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[読書記録] ラブカは静かに弓を持つ (安壇 美緒 著)

とても良かったです。主人公の感受性も好きだったし、登場人物一人一人の個性がとてもはっきりしていて分かりやすく、ストーリーもシンプルで分かりやすく、それなのにとても引き込まれました。大好きです。この社会のよく知らない「音楽の著作権」という分野について興味を持ちながら読み進めることができました。

「著作権」というものがいつ頃からあるのか私は詳しく知らないのですが、その大切さも意義もよく分かります。そしてクリエイターへの敬意は常に持つべきだ、と私も思いました。

音楽にまつわる小説は恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」以来でしたが、音楽の小説ってとてもいいな、とまた思いました。クラシック音楽同様、どこか静かでとても落ち着くし、独特のテンポのようなものが流れているように思います。

深海から徐々に少し賑やかなところへ、再生してくるストーリー性、なにも置いていかない結末も、全てがスッキリとしていました。

安壇美緒さん、はじめての作家さんでしたが、また読んでみたいです。

ここから完全にネタバレです。ご注意。


秘密が露呈したとき、正直とてもホッとしました。
大切な人たちに本当のことを知らせないまま、このまま器用に人間関係を渡って行ったらどうしよう、と正直思っていました。
その後の展開がまたさらに良かったです。

全てがスッキリと、丸く収まって本当に良かった。

思わずチェロの曲リストをSpotifyで作りました。
少し不安な夜にはこれを聞いて眠ります。

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