何故か霞ヶ関文学研究についての記事だけPVが伸びております。
このシリーズが好きな極々狭い針の先のような膨らみのないセグメントの方ですので読んでくださる方は本当に貴重です。
そんなありがたい方々が面白がるような霞ヶ関文章をディグってみました。
そしたら。なんとパンチが強い資料を内閣府で見つけました。
経済財政運営と改革の基本方針 2022 新しい資本主義へ
~課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現~
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2022/2022_basicpolicies_ja.pdf
タイトルの字面を眺めるだけで香ばしい薫りが画面を超えて伝わってきます。新しい資本主義?成長のエンジン?持続可能な経済?
色んな??マークが頭に浮かんでは消えていきます。
ということで読み進めて行きましょう。
この資料、一行目がいきなりパンチラインなんです。
これまでの延長線上にない世界を生きている。
どうも私たちがこれまで生きてきた世界線と、これからの世界線は違うようです。これを最初にハッキリ断言するこの力強い始まり。もはやポエムです。今日という日は霞ヶ関ポエムという新しいジャンルの爆誕に出会えた記念日です。
現状分析としてはとても適切です。が、それでも内外の難局が同時にらそして複合的に押し寄せてる。と言語化されると、ヤベェなあって気持ちになりますよね。タイトルが改革の基本方針となってるだけあり、このままだとマズいよとグイッと引き込む文章が半端ない。読んでる国民にもう少し良い未来見させてよって甘えが一切ない始まりです。
来ました!新しい資本主義!ここを読み解いてくことがこの資料を、そして日本の未来を理解する鍵です。
いいですか、これはポエムなのではなく、説明力が足りないわけでもなく、自分たちの読解力と想像力が足りないのです。新しい資本主義の形は明示されているのに、読み手側の努力が足りないんじゃないかという立場で読んでいきましょう。
霞ヶ関文章を読む時は、理解ができなくても、彼らの言ってることが全てであり正しいと、盲信する気持ちで読むことが大切です。汝疑うことなかれですよ。まあ別に疑ってもいいし無視しても思うし実現するかは未知数ですが、こうした方針に沿って、まつりごとが行われ予算が決まっていくことは確かです。
でもこれを読むと
解決に向けた取組それ自体を付加価値創造の源泉⇒源泉になるの???
課題解決と経済成長を同時に実現⇒片一方でも大変なのに同時!?
「新しい資本主義」を起動⇒どこかに起動スイッチがあるのか?
我々自身の資本主義をバージョンアップ⇒どうやって??
と??マークが連発です。
一般のWEBコンテンツであればここでユーザーが大量に離脱が発生することでしょう。最初の2秒が肝心、30秒まで読んでくれた人が続きを読んでくれるようなふくらみを持たせるとか、そうした配慮は一切無しなんです。
こうなったら一国民としてお国の考えを理解するために意志を持って読んでいくしかありません。
どうもこのセンテンスでわかることは新しい資本主義では、「社会課題を解決するのは民間を活用する」ようです。国があなたに何をしてくれるか?ではなく、あなたは国に何を貢献できるのかを考えよう的なジョン・F・ケネディのような論調です。
成長分野に人を動かすのはWelcomですが、省エネ・脱炭素を通じた国内所得をどうやって海外流出するのを抑制するのか?はここだけ読んでもよくわからないです。同じ価値観を共有する国々の部分もどういう国やねんってところは読み進めていきたいところです。
インバウンド・農産品・中小企業など海外を相手に商売していくところは引き続きホットな分野だなと
3年間で4000億円ってまたとんでもない額ですね。一方で諸外国と比較すると学ぶ意欲の低い日本がどうなっていくのかは気になるところです。
このあたりのパートは、いいぞ!もっとやれ!って感じのことが書かれています。しかしデジタルについていけないお年寄りをどうするか?そういう人達がデジタルを学べる環境をつくるとか、どうするんですかね。
行政の無謬性にとらわれず、と言いつつも議会や有権者の意見はシビアだったりするので難しさもあると思います。
まあそんなことは織り込み済みで待ったなしなんでしょうね。冒頭の様々な困難のことを考えると
このセクションで謎めいていた「新しい資本主義」の一端が垣間見えることが書かれています。
まず官の領域だった社会課題解決は「民の力を大いに発揮する」⇒えっ!?官はやらないの?という疑問はグッと飲み込みましょう。資本主義をバージョンアップさせるという大義の前では野暮です。
リターンに加えて「インパクト」を測定して「課題解決」を資本主義におけるもう一つの評価尺度にしていく必要があるそうです。
民は金儲けだけをするんじゃなくて、社会課題を解決していったことも評価しようぜってことなんでしょうね。てめぇが豊かな暮らしをするために社会課題を放置したり、社会課題を拡大するようなことは評価できんよねということなのかもしれない。
初めて見る用語が多いからよくわからんけど、公共事業の委託の形も変わってくるのかもしれない。
制度の悪用をすると税金が良いように使われそうな気もするけど、これまで以上に信用してドガっと委ねないと毎年毎年コンペして成果を出すより焦げ付かないような運営をしていても社会課題は解決しなさそうだから、このあたりで書かれていることは本当に大事なことが書かれているのかもしれない
個性を活かした地域づくりや、地域が稼げるようになってくるというのは大事なのでここは、おおむねそうだよねってことが書かれてます。
こちらは観光の分野のパートです。
こちらの内容で網羅されていることなのでこちらでチェックをお願いします。
このセクションにいいねボタンがついてたら超押しまくりたいですよ。謎に2-3月が忙しく4-5月が暇になったり、年度替わりのタイミングだから桜の時期の動画が取れないとかそういうのがなくなってくれることはホントに助かります。
ここにきてEBPMが連発されております。しかし現状は「知事がこう言いだしたから~」ってお言葉を聞くこともままあり、現場担当としていは知事はエビデンスの基づいて発言をしていると信じるしかないですよね
ペロっと最後に加わっている一文はこの2つの不祥事ですね。Googleのスプレッドシートみたいなもので集約管理すればええやんってことや統計を全数でとるかサンプリングでとるかみたいなことのようです。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000605455.pdf
↑こちらの総務省のPDFは日本語の表記がとっても面白いので次の文学研究の題材はこれにします。
はい、長々と書いておりますが、これからはこれまでの延長戦上にはない世界だそうです。民間で稼いで儲けていくことは大事ですが、そこにさらに「社会課題を解決しているか」というところが問われてくるようです。
私はラッキーなことにインバウンドをさせてもらっているのは、外貨を稼ぐことに直結をしているし地域に貢献する仕事ができているのは意外と新しい資本主義をしてるのかもと思った次第です。
世襲だとか、シルバーデモクラシーだとか批判もあるけど、国民の代表とペーパーテストでハイスコアをたたき出す人たちが考え抜いた結論がこうした方針なのであればこれを信じるしかない。相変わらず支持率は高くはないですが、理解を深めていかないとミスリードしそうです。
「社会課題を解決するのは民の力」と言い切ってるわけなので、官が手を差し伸べてくれたらラッキーくらいで、むしろ俺ら(民の力)で社会を良くしていこうよと解釈した方がメンタル的にはいいかもです。
ただし霞ヶ関風に言うと「新しい資本主義」という概念は多義的で、確定的な定義や見解は見当たらないので、あくまで木立さんの理解だと思って話半分で読んでもらえると嬉しいです。