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『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』中島 聡 著

※表題の本を半分ほど読んだ時点の感想になります。また、本書は2023/10/13現在KindleUnlimitedの読み放題対象です。

 みなさん、締め切りはお好きでしょうか。私はどちらかと言えば好き。いない方が気は楽だけど、いて貰ったほうが仕事に集中はできる、隣の席の上司のようなものだと思っています。
 ではもう1つ。みなさんは先行型でしょうか、追い込み型でしょうか。私は完全に追い込み型です。夏休みの宿題を最終週に頑張っているタイプといえば多くの人にご理解いただけるかと思います。
 そして最後に、締め切りぎりぎりまで粘ったけれど完璧とはいえない結果だった経験はあるでしょうか。私の人生は大体これです。

 上記のいずれか1つでも「わかりますわ…」となった方は本書『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』中島 聡 著を読むと、笑えるくらい納得し、多くのエピソードから学ぶことができると思います。私は半分読んだ時点でこのnoteを書くくらいにはハマりました。

 さて、著者である中島 聡さんはマイクロソフトでWindows95の開発に携わっていた。今や当然のようにある「ドラッグアンドドロップ」や「ダブルクリック」という概念を生み出してきました。その中島さんがマイクロソフトなどで経験したエピソードをふんだんに盛り込んで時間管理術を教えてくれる本書。私が半分程度読んだ時点で非常に納得・再認識し、活かしたいと思った点をいくつか挙げます。

 まず1つ目は「すべての仕事は、必ずやりなおしになる」ということ。みなさんは自分の経験で、100点満点万事がOK、あとから見てもほれぼれする、博物館に収蔵しておきたいような仕事や経験はあるでしょうか。私はほぼありません。ということはどうせやりなおしになる仕事ならば、最初から100点をとるつもりで仕事をするのではなく、60~70点くらいを早々に完成させた方がよい、ということ。これは聞いたことがある方も多いと思いますが、私は性格的になかなかできないトコロ。これも本書で書かれていて「評価恐怖症」という日本でありがちな一種の病らしい。見事に感染してます。

 次に「待ち合わせ30分前にスタバでコーヒーを飲め」という話。10時に渋谷駅で待ち合わせをするならば、9時55分に渋谷駅に着く電車に乗ればOKという考え方だと、電車が少し遅れただけで相手を待たせることになる。従って著者は10時の待ち合わせに遅れないために、9時半に渋谷駅近くのスターバックスでコーヒーを飲むようにするという。これは私も割とわかる感覚で、待ち合わせ場所の近くに喫茶店がないかまで調べていることがある。
 しかし、私の中になかった考え方として著者のなかでは「10時に渋谷駅で待ち合わせをするということは、9時半に渋谷のスターバックスにいることと同義」であり、それは「本当の締め切りの前にもう1つ締め切りがあると考えることである」という。待ち合わせに限らず、与えられた仕事の締め切りの前に(例えば)60%完成の締め切りを用意して、何かあった時に本当の締め切りまでにリカバリの対応策をとれるようにするということでしょう。こうして言われると、私は待ち合わせにはやっている思考を他の仕事などにはあまり当てはめていないのが謎である。なんで?

 そして(いまのところ)最後は「花さえ用意できれば、裏で昼寝してもいい」という話。与えられたミッションをコンプリートすることが最重要であるという話。この話はマイクロソフトでビル・ゲイツと仕事をしていた時の彼の考え方についてのエピソードらしく、彼は待ち合わせや締め切りに遅れた人がする言い訳をめちゃくちゃ嫌っていたらしいです。
 例として上の花さえ~という話になるのですが、あなたがビル・ゲイツパーティに飾る花を用意してくれという仕事を受けたとします。そしてあなたは花屋に予約注文し、何月何日の何時にどこどこへこの花を送ってくれと連絡しました。しかし当日、突然の降雪により花屋の車が動かず、花が届けられないとします。そのことをビル・ゲイツに伝えるとめちゃくちゃ怒られる(らしい)。このビル・ゲイツの怒りの根底には「与えた仕事はパーティに花を用意することであり、花屋に予約を依頼することではない」。故にパーティに花を用意できない責任は100%あなたにある、というのです。
 厳しいですが、もっともな意見だとも私は思いました。裏を返せば上の通り「花さえ用意できれば、裏で昼寝してもいい」のです。これは仕事だけでなく勉強、夢を叶えるためにも必要な考え方でしょう。与えられたこと、やりたいことの本質を見失わないこと。「目的と手段を履き違えない」ということなのだと再認識しました。

 このような感じで、半分程度までなかなか楽しく読んでいます。他にも意思決定のスピードの大切さや、認知資源についての話など著者のエピソードを交えて色々と書かれています。他の聞いたことあるような話ももちろんありますが、著者の経験を元にしたエピソードが面白く、強い説得力と少し笑ってしまうような読みやすい構成がされていると感じました。この勢いでサクサク最後まで読んで「書き足りないぜ!」と思ったら続きを書こうかと思います。

 ではまた。

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