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コンサルやめるってよ③〜最後のプロジェクト〜

最後のPJに参画

 前章で記載していた通り計画系PJに参画しその経験をもって新天地に向かおうと考えていた。
クライアントはコンサルを(コキ)使い慣れていると有名であり、「そこだけはやめておけ」と数少ない友人も口にしていた。
 PJの内容としては、計画系のシステムでこれまで職人技でなんとか立てていた仕組みをAIを用いて自動化する。それをまずは1つのビジネスユニッㇳでリリースしてそれを他のビジネスユニットにも横展開し全社共通の仕組みにする導入フェーズであった。計画系で使用するデータを共通化しヒト・モノ・カネの動きをわかりやすくすることや、職人技で建てられていた計画を制約さえ入れてしまえば誰でも同じものが作れるような仕組みを作ろうとしていた。私自身、製造業出身でこの計画領域は職人技でなんとかしている様子を見てきたため完成すれば夢の仕組みだと感じていたと同時に難易度が非常に高いことも肌感としてあった。

Fig.1:PJ概要

一般的なITプロジェクトの流れと私のミッション

 ここでITプロジェクトの流れを下記のFig.2に記載する。簡単にいうと「こうなったらいいな」というなりたい姿を描き、それが実現できそうかPOCと言われる小規模なテストを行ってみてどのソリューション(システム)を使うかを選定する。あとは新しいシステムでどういう要件を満たせばいいのかを取り決め、開発し単体テストを繰り返して挙動が正しいかを検証する。
単体テストが終わり次第SIT(System Integration Test:結合テスト)と呼ばれる各種プログラムやI/Fといったインフラを繋げてSystem全体を繋がっているかを確認する。(住宅におけるガスや水道管が正しく繋がっているのか?コンロから火がでるか?お風呂がわかせるか?というのを確かめるイメージ)を経てUAT(User Acceptance Test:ユーザー受け入れテスト)で実際の業務を新システムで行って要件定義したものが正しくできているかを検証しバグ出し修正を行う。晴れて完成までもしくは残タスクはあるがまずは新システムを稼働させ業務を開始する判定がでたらGoLiveとなる。

Fig.2:ITプロジェクトの流れと私の参画タイミング

 今回のPJに置いて私は「移行領域」の担当者として参画した。 
移行とは、簡単に言うとシステムの引越しに関連するタスク全般を指す。構造化して整理すると業務移行とシステム移行に分けることができる。(Fig.3)
 業務移行は、新しいシステムを用いた業務に切り替えることや、システム切り替えできなかった場合のコンティンジェンシープラン(バックアッププラン)が該当するが、私の最後のPJではユーザー側のチームが担当することで合意した。
 システム移行はデータ移行と環境移行に分解でき、古いシステムからで新しくシステムに合わせて各種データを必要な変換を行い引っ越しさせることと、新しいシステムを使うに当たって必要なインフラやプログラムを本番環境に実装する、周辺システムとトランザクションをやり取りするI/FやJOBの切り替えが主なところだ。
 私は、これまでの経験上”そこそこ”Excelが得意なこともあったので主にデータ移行のタスクの責任者となり、相方はそれ以外の環境以降を責任者として役割分担をして業務を進めていった。

Fig3:移行タスクイメージ

データ移行はつらいよ

 はっきり言って舐めていた。とにかくつらい作業だった。データ移行をする上で必要なステップは概略レベルで以下の6ステップだ。
 個人的には②の旧システムからデータをかき集めることと、③の変換ロジックを考えること、⑤の変換作業がそれぞれの山場であった。
<データ移行>
①旧システムから移行すべきデータを確認する
②旧システムから移行すべきデータを受領する
③引っ越しすべきデータの構造と、新システムの構造を整理し変換ロジックを考える
④変換ツールを作成する(Excel等)
⑤変換作業をする
⑥変換したデータを新システムに投入、検証する

②と③に関しては、周辺システムの保守担当者がなかなかデータを集めてくれない、データの構造を理解していないから変換ロジックが検討できないということで質疑応答にかなりの時間と手間を必要とした、
⑤は、変換する量が膨大な割に支給されたパソコンが事務パソコンでスペックが圧倒的に不足したため処理に時間がかかった。
 例えるならば50tの砂利を運びたいので10tトラックを用意してほしかったが、最大積載量350kgの軽トラが支給されたようなものだった。
 この作業が地獄で深夜残業、週末対応を常態化させた。よりハイスペックなPCの提供を依頼したが叶わず、仕方なく2台目のパソコンを支給してもらって作業を進めるほどであった。
 連日の残業・徹夜で疲弊した脳は、ミスも連発、やり直しと負のスパイラルに陥るも体制は大きくは変わらず苦しみ続け終わらない不安によって不眠症状が顕著に現れた。友人からの遊びの誘いも全て断るハメになり、ひどい時だと約3ヶ月くらい完全にオフの日がないような状況だった。にも関わらず上長には品質が悪いと評価を受け、心は完全にぶっ壊れた

コンサルやめるってよ④の予告

転職活動を本格化させるため、どの手段で転職活動を始めたのか?実際にやり取りを初めてわかったことについて書き記す。

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